501XXのフロントVステッチは返し縫いのディテールだった!? | 自由が丘Denim Cellar.(デニムセラー)商品とトリビア

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今日は短めに少しだけ。
ジーンズのフロントトップボタンの
ところにあるVステッチ。


 

これヴィンテージジーンズや
ヴィンテージレプリカジーンズには
お約束のディテールだし
あるかどうか確認しますよね^_^

これなんなんだろう?
と前から思っていました。
そしたらこの謎が分かりました^_^
AUBERGE小林さん恐るべし!
疑問を解消してくれます😆

なんとこれはベルト部分のウエストバンド。
※ウエスト周りの帯状の部分を
  ウエストバンドと呼びます。

これって501XXではバンドの上部分が
シングルステッチ。
下部分はチェーンステッチ(環縫い)で
縫製されています。

まずチェーンステッチでジーンズ本体と
ウエストバンドを縫製しくっつけます。
ただこの時、チェーンステッチは返し縫いが
できないので縫いっぱなしになります。
前にもお話ししましたが、チェーンステッチは
とても解けやすいんです。
このままでは解けてしまう。
そこで
ウエストバンドの上部分を
本縫い(シングルステッチ)で縫ったときに
そのシングルステッチを意図的に
したい向かわせ、
チェーンステッチを通過してまたぎ、
ウエストバンドよりも下まで縫った後
さらにV字でウエストバンドに向かって
斜め上方向に縫う。
こうすることでチェーンステッチに対して
2回シングルステッチが通過します。
このステッチがチェーンステッチのほつれを
防止する。
とこういうわけです。



このためにフロントボタン横のV字ステッチは
誕生しました。

この後501ジーンズはウエストバンドの上部も
下部もチェーンステッチになるので、
ウエストバンドの縦方向を縫う時には
V字ではなく四角になり、
ウエストバンドの上部チェーンステッチと
下部チェーンステッチを同時に4箇所
シングルステッチによって留める。
という仕様に変わるんです。

ちょっとわかりづらい説明になってしまった
かもしれませんが
要はアメリカの工場職人が出来るだけ少ない
手数で強度を保つ合理性の賜物。

とこういうわけです。
今日はこんな話でした^_^