LEVI'S 506XXについて考察!? 前見頃のプリーツはデニムジャケットのアイコンになっ | 自由が丘Denim Cellar.(デニムセラー)商品とトリビア

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LEVI'S デニムジャケットのプリーツ。
といえば506XXと507XX。
デザインのアクセントとして誰もが
認知しているディテールですよね。

さらにwranglerもロデオベンがデザインした
肩部分にアクションプリーツの入った
11MJZ。

誕生当初はどちらも動きやすさを工夫して
できた証のディテール。

特に1stと呼ばれるリーバイス社の506XXは
このプリーツの入ったデザインゆえに
長い間愛されているのではないかと思うほど
美しいと思うのは僕だけでしょうか^ ^

 

以前も書きましたがこのデニムジャケットの
プリーツの起源はリーバイス社が19世紀に
リリースしたトリプルプリーツブラウス。

この時は前見頃に3つずつプリーツが入り
それを簡易的なステッチで留めていました。

デニム生地が縮んで着にくくなることを
避けるため、
生地を横にしてシャツとして裁断、縫製。
縦方向に着丈が縮まない代わりに身幅が
縮みます。
それをプリーツによってカバーする。
そういう工夫をしたんですね。

実際に洗ってからは、プリーツに付いた
簡易的な仕付け糸でもあるボックスステッチを
解いて、上着を着ると生地が広がって
縮み幅をカバーする。そういう役目をになって
いました。

ところが506XXが誕生する頃には
生地も横にして使うこともなく通常の
縦取り裁断。
我々も知っている通り、506XXは洗うと
着丈が縮んで短くなる。そういうものでした。

にもかかわらず506XXにもディテールとして
プリーツは残ります。
トリプルからダブルにはなっていますが。

リーバイス社も1880年代にトリプルプリーツ
ブラウスがカタログに載っていて
この商品が後のデニムジャケットのルーツと
言われていますが、ひとつここで推論を
してみます。

同じ1880年代後半に布帛(シャツ生地)を
使ったジャケットを見たことがあります。
このジャケットは
リーバイス社506XXにそっくりなんです。
ダブルプリーツ
バックシンチ
片ポケット

そしてこのジャケットによく似たジャケットが
1902年のシアーズカタログに掲載されている
ようです。

506XXがカタログに登場するのは1904年頃。
ですがロットナンバーが採用された

1890年頃にはこの506XXジャケットは

すでにあったのかもしれません。

これは分かりませんが、リーバイス社が
トリプルプリーツブラウスを発展させ
いち早く506XXの形を生み出したのか。

それとも1890年代にはすでに506XX型の
ジャケットは散見されるようになり、
リーバイス社もそれに合わせてトリプルプリーツ
ブラウスを時流に合わせて変化させたのか。

私としてはこれまでリーバイス社を調べていて
他社のデザインをそのまま真似するとは
考えにくい。

でも我々の知っている506XX誕生時期より
早いタイミングですでに506XXに近い
デザインのジャケットが存在している。
だとしたら
リーバイス社はおそらく1890年代初頭に
506XXを生み出していたと仮定しても
良いのかなあ
なんて思います。

そしてこのプリーツ付きのジャケットは
1960年代初頭まで愛されて
次のジャケットへバトンタッチするんですね。

前見頃のプリーツは男心をくすぐる
完成されたデザインなのかもしれません^ ^