NHK時代劇再放送枠で、これまた古いと思いつつも

若々しい山本耕史が見られる非常に面白い体験ができてよかった

というか、時代劇好きだし、このシリーズの存在はそれこそ

木曜時代劇の頃に知っていたんだけども、あんまり合わないと思って敬遠していたんだが

いざ、年齢を重ねてから見ると、かなり野心的な作品だったんだと

驚いて感激したのでありました

 

何が野心的、と、自分でも書きながら思うわけだが

挑戦的な殺陣が非常に面白かった

若いころは、この殺陣がうさん臭いというか、あまりにも奇を衒いすぎてて苦手だったんだが

こういう挑戦をしていたんだなと、今は見ることができたといっていいのか

殺陣に求めるものが変わってきたんだなと思いつつも

大変楽しく見ていたのである、とはいえ、やはり無理があるというか

派手さというか、動くということに重きを置きすぎてて

それで斬り合いというか、斬れないだろうという部分も多かったり、

素早く振り回しすぎるから、子供が駄々っ子になったみたいなのもあったりして、

このあたりはもうちょっとなんとかならんかとか思ったのである

とはいえ、多様していた、裏拳の要領で、右から斬りかけて、反転して逆から斬るとかは、

見た目が派手だからいいやと感心していたんだが、

目をつぶってから陽光を浴びつついきなり切るというあの名もなき必殺剣と、

話の中で、ちゃんと殺陣シーンを入れるという気概に溢れていたところが

時代劇のテンプレを現代の矜持でやろうといった感じですごく好きでありました

 

話は結構重めのしっかりとした時代劇なわけだが、

半分現代劇といった感じの柔らかいキャスティングと芝居で、

藩の御家騒動周りとかは、相当物騒で入り組んだ話しが面白かったけど

そこだけに寄らず、人情話もあり、長屋暮らしもありといった感じ

また、用心棒をなんなくこなすというところの飄々としたところなんかが

まだ、色々と固まってない山本耕史がやっているところがよかったと思うのである

味がついていないといっていいのか、つけようとしていたのかという迷いでもないけど、

そのままで、磐音というキャラクタになっていたようにも思うけど、

これもまた、近藤正臣さんが芝居全体をすごく締めていて、

その配下でもないけど、その組み合わせがまた、慣れない時代劇を泳いでいく役者のそれと

リンクしているようにも見えて、大変よかったと思うのである

 

この頃から、山本耕史はNHKに脱がされていたのかとも思うのだが

昨今と違って、まだ華奢なところが衝撃的だったが

もしかして、この経験から鍛えようという今につながったんだろうかと

いらんことを考えたりもしたのである

 

小松の親分さんとか、渡辺いっけいとか

渋い俳優が出てくるのもよかったというか、

何もかもが若い、平泉成さんとかもすごい若いと

感激しながら見たのでありました

ロングシリーズだったから、また、続きもやるんだろうかと考えたりしつつも

早いところ、浮浪雲か金と銀の続きが見たいとも思う

贅沢な枠である

そいつはほんとに敵なのか  著:碇雪恵

 

随分怒ってる人だな、

そういう文章だと感じつつ読んだのだが

この文章の中ですら、徐々に変化をしているというところが面白く

タイトルの通り「敵」を探しているという状態に気づいて、

そこを是正ではなく、折り合いをつけていくといった感じで

成長というか、心の変化がつづられているところが面白かった

エッセーというジャンルになるとは思うのだが

どちらかというと、自己啓発の過程を見ているみたいな

そういう不思議な読み物だったと思うのである

 

とはいえ、自分がどうであるかと、

文中にもあった自己開示ともいうべき情報の出し方ではなく、

ある事について思ったままに書く、これこそが自己開示でもあるなと

意図してないと思うのだが、本を通してそれが顕れた感じで面白かった

ただ、そこで披瀝されたものが、なかなかに攻撃的で、

自己批判にも現れている、強く当たってしまうという瑕疵、

それが甘えの形でもあるというところへの反省がありながらも

やめられないというか、おそらくは、反省をしていないということかもしれないと

自分にもあてはまるところだなと感じるのである

 

文章中に現れる著者が、本当の著者と肉薄するのかはわからず、

こういう感想を抱かせるという媒介でしかないのかもと

思ったりしながらも、イライラしているというありがちな人が、

その対象について、許容や寛容をみせる

それは滑稽にもとれるほど軽々と溶けていくみたいな感じで、

その軽薄さがとても人間らしく誰にでも訪れることだという感じで、

その変化と、得たもの、おそらくは感情や経験というものについて

自己批判文章のように書いていて、書きながら、その変化を認知しながら

次もそうであるか、そこはわからない

自分の中にある、ある時訪れる狂暴な何かについて、そちらもまた

忘れることがないということが吐露されていて

なんというか、面白かった

多分誰でも思い当たることが、ダイレクトに、この人の感覚として語られるというのが

読んでいて面白いところだと偉そうに感じたのである

 

と、まぁ、あれこれ書いたが、こういう感想見たら

すげぇ怒りそうな人だよなとも思ったりすると

なんとも楽しくもある

多分、文中に出てきた人のように、違いを探り合い楽しめる

争いの怒らない仲にはなれない気がしてしまう

NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」

視聴完了しました

酒の上だし、失礼もあったのでなかったことになったという

わざとらしく説明された、羽柴家での饗応なるイベントでありましたが

その陰でというか、実際のところは、信長の軋轢の元ともなろう

長曾我部のそれこれとあわせて、よもやの黒幕が

明智をたきつけることになるようで、

これはこれで面白いなと楽しみが増したのである

あっという間に本能寺みたいだが、将軍関係なくという感じになるんだなと

これはこれで、その後の義昭を思うと納得の内容だと思いつつも

どう挙句が見えるか楽しみなのである

 

さておいて、先週の予告映像で

「上様がこのようなところに」という、実にミーム化しそうなものがあったけど、

想像したのと違う使い道だったのがちょっと残念というか

肩透かしだったわけだが、まぁ、そもそも、お市様を伴って信長が遊びにくるとか

絶対ないだろうと思いつつも、これで本能寺となってしまうということは、

なんか噂によくきく「ねね様が怒って信長に手紙を書いて諭される」という

ほんわかエピソードはやらないんだと残念に思ったりしたのである

あれ、最近できた嘘なんだろうかひょっとして、

手紙があるという話ししか知らないのだが、いつかドラマでそのくだりを見たいと

また望むばかりである

 

中身がないといってはアレだが、

いや、最近そういうのばっかりじゃないかと思わされてしまうんだが

今回の手の込んだ内容について、多分演者というかドラマとしては

かなり凝った演出だしストーリーなんだろうけど、

歴史大河としては意味が薄いので、もったいないとか感じてしまったんだが

その端々で、躍動感あふれる秀長の活躍と、しょーもないアドリブと思しき内容が見てとれて

大変面白かったのでありました

「季節を感じるように」とか言ってたと思うんだが、ああいうのすごく好き、

あと、乱痴気踊りしてる時のオリジナル踊りとかももう、

あれ無茶ぶり甚だしいんだろうなと思いつつ見ていると

大変趣深かったのである

役者、いや、台本には、「秀長踊る」くらいしか書かれてないんだろうな

改めて、役者という商売のすごみを感じたのである

いや、あれに完璧な指導が入ってたら、それはそれで凄いという話しになるけどもさ

 

羽柴ガールズというには、年増がすぎるラインナップだったわけだが、

そういうことを考えても、饗応にまったくふさわしくないだろうと思ったりしてしまうのだが

まぁ、そこまでふまえて面白かったという話しなのか、

色々思うところはあるのだが、説得するにしても

いささか無理があるスジだったなと正直に感じたところを書いておくのである

まぁ、このドラマならではといった感じだからいいんだけどもね

 

かくして、秀吉は最後の思い出を作れたわけなので

心置きなく来週燃えるのであろうというのが

ちょっと楽しみであるが、もう一回くらい本能寺引っ張るかなどうかなと

次週を待つのである

NHKドラマ10枠でした

原作が漫画だと早合点してたんだが、長編連載小説だそうで驚いたのである

完全に漫画原作テイストのノリだったじゃないか(偏見)

フェロモン駄々もれのコンビニ店長が、

地域のためのコンビニとしてそこで起こるいざこざを

コンビニエントな兄弟とともに解決していくと

まぁ、そんな感じだったかな?なんか違う気もするなと

思いつつも、肩の力を抜いて見られる楽しいドラマでありました

主役が3役か4役くらいやってるという、もはやそういう演出の方に軸足がいってしまってて

ちょっともったいないなと思ったのであるけども

雰囲気変えるだけで、ああも違う人に見えるもんなんだと

ちょっと驚いたりしたのである、試みとしては面白いけど

ドラマに集中できないというか、二人がいる画面がどうしても不自然になるという

制約ができちゃうのは、もったいないと感じたのであった

 

地域のといいながらも、そこに住む人の悩みというのにフォーカスしているので

基本的には、心温まる人情話といった感じで、

現代劇で、漫画みたいな感じというところが、

むしろ現代の映像作品においては、時代劇じゃないとこういう表現になるのかもと思いつつ

色々とツッコミどころ満載の展開も、ほのぼのと見ていられたのである

見所というか、注目させられたのは、田中麗奈の独り言芝居の部分で、

かなり強引に、唐突な北九州訛りによる早口というのが面白かったのだけども

あれが結構癖になる感じで、にやにやしてたら

最終的には、凄いキーマンというか、

ドラマの中心は、田中麗奈だったんだなと気づかされて驚いたのであった

店長を陰から見ているようでありながら、

その本当というか、表層的にキラキラしているところだけじゃなく、

内面まで見ていくし、そこに影響されてテンダネスで活躍するしという

人間のつながりみたいなのの象徴ですごくよかった

 

実際はありえないだろうという感じではあるし、

わざとらしすぎて、どうなんだという、店長キラキラシーンについては

もはや、そういうものだと割り切る舞台を見ている気持ちとなってみると

それこそ、歴代の時代劇と同じように

ただただ、人情話の味付けとして見ていられるもんだと感じたのである

そういう意味から、話としては結構面白かった、兄貴の昔の恋人話しが

面白いのにこのドラマ全体で見ると浮いているように感じてしまったのが

不思議というか、なかなか難しいもんだなと思わされたのであった

 

話の作りとしては、一つの終わりに次への布石みたいなのが転がるというのが

序盤は面白かったけど、そこまで繋がることなく

割と単発ドラマになってしまっていたのが、少々残念に感じたところもあるが

まぁ、ゆったりとあまり深く考えずに平日に見られるドラマとして

大変くつろげる内容だったと

結構気に入ってみていたのでありました

 

そういや、見せ場としてコンビニ商品の美味しい食べ方が毎回出てたけど

そこにはあんまり惹かれなかったのは、ドラマという媒体でコンビニ飯は

どう頑張っても、なんか身近なコンビニ飯と乖離してしまうように感じるからなんだろうか

これは個人の感覚で、そんなわけねぇような気もするんだが

不思議と飯ものに眼がいかなかったな

永遠年軽  作:温又柔

 

短編集でした

現代劇というか、平成の頃に思春期を迎えたであろう人たちを主軸にして、

アイデンティティに揺らぐ様を描くというもので、

この作者のライフワークともいえる作品だったけども、

より直接的な感じで、台湾にルーツを持つ人、

それも知っている近親者にかつて日本人だったという経歴の人

つまるところ、その頃の台湾人が含まれるという物語で

そこにある、著者にとっても原始、はじまりとなるのであろう問題を

丁寧に描いた作品でありました

 

作品中自身が台湾ルーツで、日本育ちのような感じが

どうともならぬという悩みに揺れるさまを描くのだけども

その人物の祖父にあたる人は、その時日本人であったということに

大人になって改めて思い至り、その時どのような気持ちであったのかと

自分と似たようで、まったく異なる、でもきっと潮流は一緒であろう問題に

戸惑いと、新しい理解が芽生えるといった感じもして

答えは絶対にでないけども、問い続け、それが回り続けるだけではなく

新しい形へと変わっていこうとしている姿がとれて

とてもよかったと思うのであった

 

そういうルーツを起源としながらも、普通に生活は続いていて

また、その周りに訳知り顔みたいなのが集まってきて

そういう人たちもまた、不思議な感覚、思想を持っているというのを一種冷静に見ている

孤独と迎合とがないまぜになって、やはり理解されないであろうという

諦めのようなものもあって、考えるでもなし、生きているだけで

そういう問いに晒されている背中が見えるようでありました

 

タイトルは、華語で、若く見える、青臭い的な意味だったと思うのだけども

本作では字義からくる日本的な解釈っぽく、

永遠という時間概念に対して、若さを保って過ごしていく気概みたいなのが描かれていて

作品そのものが、複雑なアイデンティティを象徴してるように読めて

とてもよかったと思うのである

NHK土曜ドラマ枠でした

原作というか、原案となった本は読んだなと覚えがあったので

どうドラマになるか楽しみにして見ていたんだが、

とてもいい感じでドラマ化していて、ほのぼのと見られてよかった

なんといったらいいか、いかにもNHKという感じながら、

押しつけがましくないというか、凄くいい感じでまとまってて楽しかった

実際はそうではないだろうとか、そういう話しは

原案の方でもかなり気を使っていたのを覚えているので

大変だろうなと思いつつも、そのあたりを上手にというか、

ありそうな感じで描いていて、なんとも楽しく見終えたのでありました

多分、小池栄子がよかったんだろう

すっかりお母さん役もこなれてきてしまっているわけだが、

もはや大女優の域に達しつつあるという良さを感じるのである

 

刑務所で栄養士をやるというお仕事ドラマであるのだが、

後半は受刑者への改心を願うという、まさに更生を描く内容になってて

実際はそんなことないだろうという寂しい話しではなく、

こうあってほしいという形を丁寧に、コメディだけど馬鹿にしてたり

不必要に感動話しにしようとせずに描いたのがよかったと

押しつけがましさを感じなかったのがよかった

これもまた個人のとらえ方の問題のようにも思うが、凄く気持ちがよい話しだった

 

原案にあった話がどれくらい生かされていたかいまいち覚えがないんだが、

受刑者が凄い健康になって出ていった話とか

できれば拾って欲しかったかもなと思いつつも、

それこそ炎上のタネになりかねないのかもなぁと寂しくも思ったり

でも、炎上を助長するではなく、本当に怒る人の気持ちもわかるという

難しい話しではあると、このあたりもやんわりだけど描かれていて

凄く丁寧に、刑務所と受刑者という存在を扱っていたように感じたのであった

 

雰囲気として、受刑者たちが、子供のように描かれているというのは、

実際にそういう感じなのかもなとちょっと感じたのだけども、

人が子供かどうかなんて、どうとも決められないし、

全部人というものに違いないんだろうと思わされたのである

 

刑務官側もいいキャラと俳優が配置されていて

コミカルだけど真面目にというバランスが凄くよくとれてて

全体が、ちゃんとしている、多分扱うテーマの危うさというか

フラジャイルをわかっている感じがしてよかったと感じたのでありました

 

こういう社会派ドラマというのもいいなと、NHKならではだと思ったのである

直木賞受賞作品の映画化作品でありました

主演が本木雅弘さんで、かなりよい俳優さんが投入されていた

面白い映画になっていたと思うのである

原作読んだと思うんだが、こんな話だったかなと思いつつも

まぁ、でも、映画単体で面白かったしよかったんじゃないかと

ちょっと長かったけど、ミステリ時代劇を楽しんだという具合である

 

荒木村重の有岡城での日々を描きながら、

その籠城戦の最中におきる、謎の事件について、

牢に捕らえた黒田官兵衛を安楽椅子探偵にして解決するというもので、

このあたりは原作もそうだったなとおぼろげに記憶にあったんだが

映画化して、よりわかりやすく、村重と官兵衛の仲、そしてその最後のシーンへのつなぎが

非常にわかりやすくなっててよかったと思うのである

でも、もっと盛り上げて官兵衛とのシーンをやって欲しかったかもと

慾を書いてしまうわけだけども、映画だけどほぼ演劇のようになっていたラストシーンは

なかなか面白かったと感じたのであります

あそこはもっと大げさな演技で見たかったようにも思うのだが、好みの問題だな

 

それよりも途中で、ある茶壷を惜しむというシーンがあったんだが、

このあたりの本木雅弘さんの演技が完璧というか、

これは可愛い、そして執着が見えるというその仕草、言動といったものが抜群によくて

あそこだけへうげものが乗り移ったみたいになってたのが実によかった

なんともいえぬ執着と未練というのが、荒木にあって欲しいそれだけに

見事に演じられていたと勝手に感動して感心していたのである

まさにジタバタという感じで、茶壷を惜しんでるというのが最高によかった

惜しいのは、その惜しむというものがのちの何かに繋がってないというところかと思うのだが

それをふまえて、ラストシーンとかになんかあったらよかったのかなとか

これまた、余計なことを考えてしまったのである

 

結構長い映画なんだけど、わかりやすく3つの事件が起きて解決していくという流れなので

それぞれでまとまってみていると、さほどに長いとも思わず

それぞれの面白さもありながら、とはいえ、ちょっと最後は強引すぎやせんかという感じもありながら

まぁ、そこも含めて面白いといえる、大変よい映画だったと思ったのでありました

ラストシーンがちょっと長かったけど、あのくだりもっとあっさりでよかったんじゃないか

そうじゃないとラストというか、その後に繋がらなくないかと思いつつも

史実を知らずに見ている人からすると

この映画では、その後が見えないのでちょっと物足りないと思われるかもと感じたのであった

NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」

視聴完了しました

義父の義父が追放されるというお話だったわけだが、

美濃の熊殺しはなかなかよいネーミングだと感心したのである

当時、熊殺しなるリングネーム(違う)は存在しなかったろうけども、

ぎりぎり美濃の山奥ならあるかもしれないと

言えなくもないとか考えられ、かつ、メタ的にも若者は言わないという感じが

絶妙なセンスでさく裂してて、凄くよかった

こういうしょーもないところが、この番組のよいところだよなと

しみじみ思うのであった

 

それはそうと、追放相撲の地獄空気っぷりが凄かったせいで

うっかり忘れてしまったけども、

冒頭で、とうとう小六が城持ちになるというシーンはかなり感動的で

個人的にとてもよい一区切りだなと、上半期が終わるにふさわしいとすら思うような

感慨すらあってすごくよかった、愛されるキャラだ

もう少し長生きしてほしい、もしくは、息子が同じ役者で続投という、

昨今何度か見たやつでお頼み申したいところである

 

長曾我部が珍しく出てきたので、

四国攻めがどうなるか、というか、秀長の主戦場はそっちだったような話しを

なんかで見たなと思い出したので、ちょっと楽しみになってきたんだが

当時の四国人、というか、土佐人が土佐弁喋ってたのかは

凄く気になるところで、あれだと、やっぱり土佐藩士といった感じになってしまうなと

妙なところが気になってしまったのである

美馬麗しかったという話しが、まんま、そういう路線でお出しするとか

攻めてきたなとも思うのだけども、

ああいう手合いだから、割とすんなり四国を渡すといった感じになるのか

ちょっと心配ではある

 

すっかり、秀長の相棒は高虎になってしまったようで、

なんだかんだくっついて出てくるというのは、秀吉と小六みたいな関係とも異なるけど

やってることは似ているという感じで、よい組み合わせだと感心したので

できるだけ二人が面白い感じで、四国篇をやって欲しいかなと思うのであった

 

まぁ、なによりも、本能寺へのカウントダウンに向かって

明智がどんどん追い詰められているという描写が、

割と生々しくて、ああやって気を病んでしまう中間管理職が世の中に山ほどいるよなと

見ていて辛くなるような感じが実に素晴らしかったので

謀反するところまで、目が離せないと、要明智にくぎ付けになっているのであった

いい感じで裏切ってくれそうで、楽しみで仕方ない

熊殺しの名乗り上げくらい、声を裏返してほしい

 

ともあれ、なんだかんだ楽しいなと思うところ

フェイク・マッスル  作:日野瑛太郎

 

個人的にツボにはまったといっていいか、大変面白い小説でありました

文芸志望のもはや新人ともいえないような週刊誌編集者が

起死回生ともいえる取材に身を投じることになって、

なんだかんだ成功というか、こなれていき、

それまでとは異なる境地に知らず達するといったらいいか、

よい意味でも成長物語として非常に面白かった

 

意にそぐわぬといっていいのか、

新人がいきなり文芸畑にいけるはずもないので、

修行もかねて週刊誌編集者として記事を書かされるという中、

ちっともよい結果を出せないでいた男が、

スポーツジムに潜入取材をすることで、

ドーピング疑惑のある、筋肉で成り上がりつつあるアイドルの罪を探るという

設定も面白いけど、話の筋は割とまっすぐというか

いかにも週刊誌がスクープを狙うといった感じのクラシカルさもあって

読んでいて大変面白かったのでありました

 

当然のように筋トレにもはまるというか、

取材のために真面目に取り組むことで

だんだんと身体ができてきて、気づいたらそれによって前向きになってるというのも

なんかありそうな話だと思わせる説得力もあり、

だけどそこは、そんなに押してこずに、むしろその変化をさらっと流すように

スクープの方が、次々と展開を見せていくという感じで

あっちもこっちもと事件ものとして読めて面白かった

スピーディーに色々な事件が起きて流れてといた感じと、

取材でなんとか情報を得ようとする試行錯誤が読みどころで、

実際そんな簡単になぁと思っていると、なるほどそういうことかと

話のアクセントとして大変面白いまま

物語がスピードアップしていくのが楽しかった

 

最終的に、そこまでの違いが出るかしらとか

ちょっと思ってしまったんだが、案外そんなもんなのか

アイドルの過去に隠された秘密の効果というか、

その真実の方が凄くないかと思ったりしつつも

至極納得できる内容で、お仕事成長、そして成功物語としても面白くて

読後感もよかった

 

筋肉がすべてを解決するという話だったと読めなくもないのだが、

そう単純というか、意外と筋肉推しではない内容がまた

するっと読める感じでとっつきやすかったと思うのである

久し振りにあっという間に読んでしまう面白い小説に出会った

詐欺師と詐欺師  作:川瀬七緒

 

まさか、という感じの終わりだったんだが

これはミステリのようであって、別にそういうものではないという

割とあっさりと、それでいてがっつり胸糞悪いそんなお話

詐欺師が、妙な事件に首を突っ込んでいってという内容だったけど

正直解決もしなければ、どうともならぬということで

読み終えて、どう受け止めたものかと驚いてしまった

 

詐欺の手口がいくつか出てくるとはいえ、

基本的には、性格の悪い女の話しといってしまえるような、

人をはめて、ただそれだけよという具合で、

歪んだ勧善懲悪めいたものも見えるのだけど

本質的には、そういうものはどうだってよく

なんだかんだ、愛に飢えていたと思しき内容で落ち着いたと

読んでいて思ったわけだが、

そういう問題かとも思うような内容であった

 

登場人物が少なく、おそらくはと思っていた通りのようでもあったわけだけど、

多分そういうこと自体に意味がないという、

ミステリではない、サスペンスはあるけど、なんか違うという

一種不気味な小説だったと感じたのであった

全体を通して、何かを得たとか、為したということではなく

ある事実があばかれたといってしまっていいのか、

真実は知らない方がよいという、現代のおとぎ話というか口伝口話の昔話みたいな不気味さで

オカルトではないが、あばいてはいけない謎というものがあると

そのバッドエンドを描いたようでもあって

不思議な読み物だったという感想に落ちたのである

 

書いてて思ったが、もしかしたら

現代劇で、昔話みたいなことをしようという挑戦作だったのかとか

思ったりしつつ読み終えて、なんとも、もやっとというか

これで本当に終わったのかとか、もんもんとしながら感想を書くに至ったのであった