90年代にデビューし、
ハスキーで切なさを帯びた、
それでいて時に強く激しく、
さらに時には優しい歌声を披露していた、
演歌・歌謡曲の唄い手、門倉有希さんがお亡くなりになりました。
1994年。
当時は昼夜を問わずラジオをよく聴いていた自分。
夕方のAMラジオで「鴎…カモメ」という曲が毎日のように流れていたので、
自然と歌を覚えていた。
新人歌手のデビュー曲なのだという。
やさぐれた感じにも聴こえるハスキーで強さがあるけど重く暗い、
闇の中でじっとこちらを睨みつけているような印象を勝手に抱いた。
門倉有希さんの歌声との出逢いだった。
演歌歌手のデビュー曲でありながら、オリコン最高34位という高位置につける。
1996年「NHK新人歌謡コンテスト」に出場。
デビュー曲と同じ、作詞・荒木とよひさ/作曲・浜圭介コンビによる
「女の漁歌」を唄い、見事グランプリ。
当時のグランプリ特典として、紅白歌合戦にも出場を果たす。
そこで勢いは止まらず、
1998年に発売した「ノラ」(木下結子さんのカヴァー)が大ヒットする。
僕もこの曲を気に入り、当時CDを購入しました。
「鴎…カモメ」「女の漁歌」とはまた違う、
抑えた歌唱により一層の切なさが染みてきて自然とCDを手にしていた。
路線が変わり「J」などのヒットも生む。
また2度のカップリングを経て、
2017年にシングルとなった「ひまわり」も不思議と耳に残っています。
(僕自身は「ノラ」のカップリングで初めて知りました)
乳がんで闘病されているということは以前ニュースで知りましたが、
まさか悲しい知らせを聞くことになるとは…
現代でなかなか出逢えない歌声。
もっともっと聴くことができたはずなのに、なんとも悲しい。
いや、ご本人もさぞかし無念だったのではないかと思うと胸が締め付けられる。
今ちょうど「ノラ」がかかっています。
胸に込み上げてきます。