これまでも、マニアが故に気になって仕方ない
記事に対するご指摘をしてしまったワタクシ…
懲りずに、また気になって仕方なく
ご指摘申し上げてしまう。
ジュリー(沢田研二さん)の記事で、
興味深いものがありました。
1978年の紅白歌合戦は、
紅組トリが山口百恵さん。
白組で、大トリを務めたのがジュリー。
前後では、トリは大抵演歌歌手が務めていた為、
この年、当時人気絶頂の2人がトリを務めたことは画期的とも言えた。
それは何故だったのかということに触れた記事。
1978年は、ピンク・レディー人気のピークで、
レコード大賞も「UFO」。
オリコン年間ランキングも上位3位までを独占(全てミリオン)。
当然「紅白」にも出場が期待されたが、
彼女たちが選んだのは、他局の子どもたちの為のチャリティー番組への出演だった。
その為、視聴率を獲るべく、ピンク・レディーに対抗する為の策だったと書かれている。
更に記事では、ジュリーがトリは務めたくないと言っていた理由や、
その理由の為になされた演出についても書かれており、
非常に納得のいく、そしてその背景も知ることができた。
ですが!
最後の最後。さかいはとても残念な感想を持ってしまった。
こうして沢田はオリコン週間チャート1位、歌謡大賞、ミリオンセラー、レコード大賞、紅白大トリという歌手としての勲章5つを手にした。森進一や五木はチャート1位やミリオンセラーはない。沢田だけが五冠を達成したのだ。
(該当記事より引用)
まず、ジュリーはミリオンセラーを獲ったことがあるか。
ここではオリコンのデータを参照します。
ジュリーの最大売上は「時の過ぎゆくままに」(1975年発売)の91.6万枚。
オリコンのデータ上では、ジュリーのミリオンセラー作品は無い。
ちなみに…
五木ひろしさんの最大売上は「おまえとふたり」(1979年発売)の91.7万枚でミリオン作品は無い。
オリコン週間チャートでは、「よこはま・たそがれ」(1971年発売)が1週のみ1位を獲得している。
森進一さんの最大売上は「港町ブルース」(1969年発売)が106.8万枚でミリオン達成している。
(オリコン1位は「港町ブルース」「望郷」の2作品で達成)
ただ、レコード会社などが販売総数として発表するのは、
オリコンデータよりも枚数が多いことがほとんどの為、
オリコンデータで90万枚程度であれば、レコード会社はミリオン達成と言っていることは考えられる。
マニアだから正確性が気になるだけなので、
記事に嘘がある!みたいなことを言いたいのではありません。
ただ、根拠に乏しい書き方をしてしまうと、せっかく納得感のある良質な記事が、
一気にそっちが気になってしまうのが、もったいないと思うのです。
あと、紅白のトリの件は、
確かにこれまでは演歌が優遇されてきて、売上やその時の人気と比例していないことへの
疑問とNHKの保守的態度に違和感を覚えている趣旨は読み取れましたが、
最後に五木さんや森さんの名前を出して、
「ジュリーは5冠でトリにふさわしい。演歌はどうだ」みたいな印象に思えて、
演歌もポップスもどっちも好きな自分としては、悲しかった。
前提として、この記事はジュリーのことを書いた
『沢田研二』という著書からのものなので、
ジュリーがどれだけ素晴らしいかを書いているので、
このような流れになるのは至極当然。
でも…
演歌の存在をおとして、ジュリーを持ち上げなくても、
ジュリーはジュリーで実力も人気も実績も十二分に持っているのだから、
それだけ書けば良かったのではないかと思った。
比較不要のスーパースターですよ、ジュリーは。
最後に改めて…
これは記事への不満、反発ではなくて、
データを出すなら根拠となりやすいものを持ち出すと説得力があるなと思った。
ということですので、お気を悪くなさらず。
内容としてはとても興味深く、そして勉強になったので、ありがたく思っています。