英語のプレゼンテーションの仕方について書いている本で、マインドセットの章を執筆中です。
熊田 昌彦さんがABC理論について体験を交えてわかりやすい記事を書いてらっしゃるのを偶然見つけ、ちょうど同様のことを考えていたので、参考にさせてもらいました。
このツールを使えば、信念の違いが大きな結果を生むことを理解し、考え方を意識的にポジティブに切り替えることで、より良い未来を築くことができます。
会社からリストラされるという出来事を例に、ネガティブに捉えた場合と、ポジティブに捉えた場合で結果がどのように違うかを説明します。
ネガティブに捉えた例
- A:出来事 会社をリストラされる。
- B:信念 「自分はダメな人間だ。もう再就職なんて無理だ」「自分のキャリアは終わりだ。これからどう生きていけばいいのか」。
- C:結果 不安やストレスに圧倒され、何も行動できずに引きこもる、もしくは自信を失い、再就職活動がうまくいかない。結果として、ネガティブな感情や自己評価の低下が続き、立ち直りが難しくなる。
ポジティブに捉えた例
- A:出来事 会社をリストラされる。
- B:信念 「これは新しいキャリアのチャンスだ。今までやりたかったことに挑戦できる機会かもしれない」「これをきっかけにスキルを磨き、新しい分野で成長できる」。
- C:結果 前向きな感情が生まれ、次のステップに進むために行動を起こす。たとえば、新しいスキルを学んだり、転職活動に積極的に取り組む。自己成長や新しい挑戦への意欲が高まり、結果として新たなキャリアを築く。
同じリストラという出来事(A)でも、それに対する信念(B)の違いによって、ポジティブに捉えることで前向きな行動と成長を促す結果(C)を生み出すことができます。一方、ネガティブに捉えると、自信を喪失し、行動が消極的になり、結果的に悪循環を引き起こす可能性があります。実際に、このような例はよく聞きます。事業で成功した人の多くは、成功の前に失職したり、借金を抱えたりと大きな挫折を味わっています。
日本には伝統的に物事をありのままに受け入れる柔軟な思考の土壌も存在します。物事を一面的に善悪で判断するのではなく、両側面を見つめ、そのバランスを理解しようとする姿勢を重んじてきました。
自分の信念の持ち方に気づき、それを意識することで、ネガティブな感情を徐々に手放し、ポジティブな思考へと変えていくことができます。その際、いったんニュートラルな立場に立って物事を捉えることが重要です。出来事自体に善悪はなく、それをどう解釈するかは自分次第だと理解することで、冷静に状況を見つめ直すことができます。意識的に練習を続けることで、次第により健全な心の状態を保つことが可能になります。