放送倫理・番組向上機構「BPO」は、日本放送協会や日本民間放送連盟とその加盟会員各社によって出資、組織された任意団体である。理事会、評議員会、事務局と3つの委員会によって構成されているらしい。
ただ、ほぼ全局の放送が間違った方向や極めて危険な方向に進んでいた場合、BPO は対処できるのだろうか。
キー局各局の日馬富士の暴行障害事件放送を見て、極めて危険な方向に日本の地上波TVが進んでいるように思えてならない。
日馬富士による暴行障害事件は被害者側から正式なコメントが出ていない。
現場に居たとされる当事者の一部の発言だけが事実と思われるような放送が日々なされている。
相撲協会も加害者の日馬富士のみに事件の責任を負わせ、後は貴乃花親方に責任を負わせようとする思惑が透けて見えてくる。
相撲協会にしてみれば、日馬富士の引退だけでも痛手だが、白鵬、鶴竜
に飛び火するのだけは避けたいはずである。
相撲協会の利益が優先され、法を無視した行動に八角理事長や池坊保子評議委員長が走ったと感じ取れる。
危機管理委員会の高野利雄危機管理委員長の会見がそれを象徴していると私は思っている。
そして、発覚当初から相撲協会の思惑に放送キー局各局が乗った状態にあると私は思えてならない。
それが、貴乃花親方が日本相撲協会や危機管理委員会の聴取を拒否していることが問題であるような印象操作ともとれる放送を日々行っていることにある。
被害者となった貴乃岩関と加害者の日馬富士、現場に居た白鵬、鶴竜
の関係性、相撲協会との関係性を考えれば、本来貴乃岩は泣き寝入りとなる。
現に貴乃岩は暴行の事実を親方や相撲協会に隠し病院で処置を受け、出場まで行った。
放送では、事件当夜に和解が成立したとされているようだが、和解とは、親方にも、相撲協会にも報告が出来ない状態におかれ、怪我を隠し場所に出場を強いられることなのか。
又、現場の店は頭頂部の傷の出血により血痕は相当な状態であったはずで、騒動を知った店員が警察への通報や救急への通報を当事者に発言した可能性も否めない。
しかし店員からの通報も成されていないことを考えれば、事件そのものの隠蔽を誰かが中心となり行ったとも考えられる。
貴乃花親方は憶測としてでも、白鵬、鶴竜も当事者で、隠蔽の可能性を考えられる状況で、相撲協会へ先に報告することが被害者貴乃岩関の利益になるとは通常考えられない。
となれば、暴行障害事件として警察へ被害届を提出し、警察による捜査と検察による法的判断を求め、結果裁判となったとしても、法的結論を得ようとするのは当然であると私は思う。
内部告発的意味合いもあると考えて良いのでは。
となれば、公益通報者保護法の適応も視野に入ってくるとも考えられる。
通常の被害届としても被害届を出した被害者とその当事者の利益と権利は保護され、又加害者と加害者側の当事者の利益と権利も保護されるべきと私は思っている。
法的にも被害者、加害者、当事者や目撃した者は自己の利益と権利は守ることができ、証言を拒否すること黙秘することもできる。はずである。
加害者側の発言だけしか聴取出来ていない相撲協会危機管理委員会が、一部の者の聴取としながらも、あたかもそれが真実の如く会見し、それを放送することの異常性に気付かない地上波キー局各局と何ら行動しないBPO に理解が出来ない。
相撲協会が貴乃花親方と貴乃岩関の証言を待てない理由は何なのか。
相撲協会が守ろうとしているのは何なのか。
相撲協会が貴乃花親方と貴乃岩関に証言を求める権利と貴乃花親方が相撲協会に報告する義務があることを主張出来るように、貴乃花親方と貴乃岩関は証言の拒否と貴乃花親方による相撲協会への報告を拒否する権利もある。と私は思う。
相撲協会理事会への報告を義務とし、貴乃花親方はどのような状況にあっても相撲協会理事会への報告を優先しなければならない。相撲協会理事会の判断で警察への通報も法的判断も成されなければならない。
としか相撲協会理事会、評議委員長、危機管理委員長の発言は思えない。
と同時に放送キー局各局の放送内容もそのようにしかとれない。
組織の利益と権利は法より重く強いのか。
放送すべきは、貴乃花親方が、組織に問題があると考え、法的な判断を求めたいと考えた場合、日本の法律には公益通報者保護法がある。
今回の日馬富士による暴行障害事件は一旦強制的に和解をされた懸念があり、相撲協会理事会が被害届の取り下げ強硬に求めている状況がである。と考えた場合、内部告発の意味合いもある為、相撲協会理事会への報告、危機管理委員会への報告拒否はやむを得ず、認められるべきである。と放送すべきはないのでしょうか。
でなければ、組織の役員や部長クラスの者は内部告発出来ないと言っているのに均しいことになるのではと私は考える。
