コロナ禍の影響で発売が延期になっていた
角松敏生ニューアルバム『EARPLAY~REBIRTH 2~』がやっと届いたよーーー
Amazonで注文していたので、特典のメガジャケが付いてきました
過去作品での自身の不満を現在のスキルで“REBIRTH”させるというコンセプトが基軸の【REBIRTHシリーズ】の第2弾。
角松のコアなファンなら説明不足のこのジャケットビジュアルは・・・
1980年リリースのAORの名盤にして金字塔のデビッド・フォスターとジェイグレイドンによるユニット
エアプレイの『エアプレイ(邦題:ロマンティック)』のパロディ
タイトルも『Earplay』という事で『AIRPLAY』のパロディ
丁度、タイムリーにも先日のクリス松村さんの番組『ミュージック・モア』に
シンガーの稲垣潤一氏がゲストに出演し、このアルバムを紹介していましたね。
稲垣さんも当時聴き込んでいて、『こんな音楽をやりたい!!』とディレクターと話されていたそうです。
このアルバムはミュージシャンにとっても教科書みたいなアルバムらしいですからね。
ジャケットの角松(ジェイ・グレイドン役)の隣は、ピアニストで作曲・編曲家・音楽プロデューサーの小林信吾氏(デビッド・フォスター役)。今回のアルバムではアソシエイトプロデューサーとしても参加。
話を戻しまして・・・
今回のアルバム、制作発表から制作進捗報告、リリース日発表、そしてコロナ禍による発売延期・・・と、ファンならばかなり待ち遠しく感じた日々でしたね
いつも新譜がリリースされると、まずヘッドフォンによる“視聴の儀式”をするのですが、今回はウチの嫁さんもかなり楽しみにしていたようで(幼稚園休園による連日の息子による拘束によるストレスからの解放)、まずは一緒に聴きました
収録曲は、
1. I CAN GIVE YOU MY LOVE
2. Cryin’ All Night(エアプレイのカヴァー)
3. DISTANCE
4. Take It Away
5. Can’t Hide Love(フォスター・グレイドンワークスによるディオンヌ・ワーウィックのカヴァー)
6. CRESCENT AVENTURE
7. Lost My Heart In The Dark
8. I Can’t Stop The Night
9. End of The Night
10. ALL IS VANITY
マニア受けするカヴァー曲を除くと、最近のライブで演奏される曲をライブアレンジで収録した印象。なので、耳馴染みもあるし、冒頭の『I CAN GIVE YOU MY LOVE』からライブ感がハンパなく、ノリノリになる事請け合い
今回、アルバムを聴く前に、“予習”として『エアプレイ/ロマンティック』を何度も聴いていたのですが、やはりこのアルバムの成功は、ジェイとデビッドの才能と、トミー・ファンダーバーグとトム・ケリーによるハイトーンボーカルが融合してなし得たものだと思わずにはいれません。
なので・・・
角松バージョンによる『Cryin’ All Night(1音下げバージョン)』は、オリジナルがハイトーン過ぎて、逆にかなり低く感じます バックの演奏を“完コピ”にこだわったようなので、ボーカルもキーを下げずに頑張って欲しかった
・・・でも、歌う方にしちゃ大変ですよね なのでオリジナルよりも落ち着いた印象です。楽器をやってる人ならバックの演奏の技術の高さ、再現レベルの素晴らしさに感動する事でしょう
『DISTANCE』は、僕の大好きな角松空港三部作の中の1曲。
今までこの曲は、オリジナルのフルバンドの「ALL IS VANITYバージョン」と、吉川忠英氏のギターが美しいアコースティック版の「TEARS BALLADバージョン」がリリースされてましたが、今回のアルバムバージョンは、さらに角松のボーカルが前に出てきていて、心に響くモンがあります 間奏のギターソロは、今はまだしっくり来ない(オリジナルバージョンが馴染み過ぎてて)けど、そのうち馴染むかなぁ〜
『Take It Away』は、2月のFCイベントや最近のライブでもやってるアレンジですが、オリジナルの疾走感が堪らないのですが、なぜか不思議と今回のテンポを落としたバージョンも、大人のアダルトな印象がグっと増しててイイのです
『Can’t Hide Love』は、『Cryin’ All Night』同様、音楽マニアさんや楽器を演奏する人がニンマリする演奏の再現度です オリジナルもそうですが、この曲は演奏していて本当に楽しいと思える曲なんですよね
しかしそこには、高い演奏技術が必要という・・・。
この2曲をカバーする事を選んだ角松って相当の音楽マニアであり、ヘソ曲がりですな。。。
『CRESCENT AVENTURE』・・・ヤバイです。
僕の大好きなナンバーです 1982年オリジナルリリース(2ndアルバム)の曲ですが、元はLAの一流ミュージシャンによる演奏・・・なのにアルバムの音質が激悪で有名なのです。
85年のバラードベストアルバム『T's BALLAD』にもメドレーで収録されましたが、僕はこの曲の世界観が大好きです
・・・かと言って“不倫”を推奨する訳ではないですよ この夏のバカンスの地での大人の恋愛世界が艶かしくて好きなんです
例えるなら女性作家:森遥子の小説に出てくる世界ね
今回、歌・演奏共に蘇った『CRESCENT AVENTURE』・・・。今年の来たる夏の定番ソングになりそうです
『Lost My Heart In The Dark』
『I Can’t Stop The Night』
その2曲はオリジナルから僕の中では、同基軸、同じベクトルで解釈している曲です。
“ドロドロ”“ねちゃねちゃ”な大人の愛憎劇ね でも今回改めて聴いてみると、今でさえ録音・演奏機材がデジタル化して、進化して比較的扱いやすくなったとは思いますが、80年代中期のオリジナルリリース当時に、こんなデジタルな打ち込みやシーケンサーを多用した曲をステージなんかでやっていたなーーーーと思いますよね
改めて名曲だと感じましたわ
『End of The Night』
これは、オリジナルの89年バージョンでも、なんとも“色気”のある曲でした
今回は、ピアニストで音楽プロデューサーでもある森俊之氏のプロデュースにより生まれ変わってます
僕は、森俊之氏が過去に角松の『海〜THE SEA』をプロデュースした時に、
『この人は、角松の曲を全く違う解釈で再構築して料理する人』だと感じたもので
今回も『End of The Night』が、とても上手く料理されています
今はまだ違和感もありますが、聴き込んでいるうちに味が出てくるでしょう
『ALL IS VANITY』
ラストにこれを持ってくる・・・完全に通常のコンセプトアルバムとは違っていることがわかりますね
91年のオリジナル版では6曲目・・・、つまりLPレコードで言うところのB面1曲目だった訳です。
B面1曲目と言うのは、アナログ世代にとっては、LPレコードを裏返して、後半パートが始まる一曲目。物語の起承転結の“転”の部分な訳です。そこに収められていた『ALL IS VANITY』が今回ラストな訳です
アルバム全体の収録曲からの流れを見ると、やはり『ALL IS VANITY』がラストになるべきなのかなーーー。
個人的には『LET ME SAY・・・』あたりをリメイクしてラストに持ってきて、しっとり大団円を迎える構成も聴いて見たかったなーーー
今回のバージョンを、他所のブログでの皆さんのコメントを見て見ると、“テンポはが早い”と思っておられる方が多いようですね
僕も同じように感じましたが、この疾走感はこの曲には合っていて個人的には好きです
角松自身もFBの解説で、オリジナルの遅いテンポを録り直したかった・・・と言っていますね。
オリジナルはオリジナルで素晴らしいですし、アルバム通しての世界観、ファンの方ならば知っている当時の角松本人のプライベートな状況を鑑みてのアルバムが持つ悲壮感や虚無感や絶望感・・・そして緊張感。
あれは、あの当時しか出せないモンですね。
今回のニューアルバム『EARPLAY~REBIRTH 2~』を聴いての個人的な感想。
あくまで個人的な感想なので
ライブ感が素晴らしく、ライブで聴き慣れたアレンジがこうやってスタジオ録音で聴けるのは嬉しい
カバーは、過去の素晴らしいアーティストにスポットをあてる上で、音楽ファンとしても嬉しいし、勉強になる
女性コーラスは、素晴らしいミュージカルシンガーの方たちで、ソロでも通用するほどのキャリアをお持ちの方々ですが、僕個人的には、「声が可愛すぎるなぁ〜」といった印象を受けました。
綺麗なんですが、主張しちゃってて肝心の角松のボーカルと喧嘩しちゃってる印象でした。
でも、今の角松にとってはこのバランスが最良のバランスなんでしょう!!
ファンならばついて行きます 気に入らなければ聴かなければイイだけなんですから
まだ3回ほど聴いただけなので、これからまだまだ聴き込んでいく内に、また新たな“発見”もあるでしょう
このアルバムを引っさげてのツアーが中止になったのは残念ですが、今年の夏はこのアルバムで乗り切りたいと思います
そしてコロナも乗り切ろーーーっ
<おまけ>
Amazonで1ヶ月前にCDを注文したら・・・
つい先週注文したらしい嫁さんの
料理で使うハンマー(トンカツ用の豚肉を叩いて伸ばしたりするヤツね)が何故か一緒に届いて、箱を開けたとたん爆笑してしまいました
普通なら「オイオイ!!CDや特典のメガジャケにキズでもついたらどうすんジャイ」と言いたいところでしたが、あまりにも面白い絵面だっただけに笑い飛ばしました