妻はパーカータイプの服を好んで購入する。

冬はもこもこで頭にフードを被るのが好きなのだという。

 

すべて頭からすっぽりとかぶるタイプだ。

そしてそれらの服はすべてポケットがない。

 

あるときに「前開きのチャックタイプのほうが着るのに簡単だし、ポケットがあったほうが便利じゃないか。」と妻に問いかけてみた。

妻の答えはこうだった。

「そんなの、可愛くない」

バッサリである。

 

妻にとっては「可愛さ」という価値観が重要な位置を占めている。

そのためには便利さは必要ない。

言い換えれば便利さをはじめから切り捨てている。

 

私は可愛さよりも機能性を重視してしまう。

必要十分な機能があるかどうか。

機能の中にデザインも多少は含まれるが、最後は機能性を重視してデザインを切り捨ててしまうこともある。

 

機能もデザインも重視して、本当に納得できる良いものを選ぶのは時間とお金がかかりすぎる。

結局私たちは普段の生活でも何かを切り捨てて生きている。

 

「兵は拙速を尊ぶ」「拙速は巧遅に勝る」

 

決断は早いに越したことはないということわざである。

何もかも捨てられない人は、行動が遅い。

 

人生の時間は限られている。

心のままに生きるとは、自分の価値観を明確に持ち、早く決断して行動することにかかっている。