親は口うるさいものである。
なにしろ40歳を越えても子供のやることに口出しをする。
「もう自立して生活しているんだし、そこまで言わなくて良いんじゃないか。」
と言うことまで口出しをしてくる。
社会的地位を得ても親はこの有様である。自立できていない若いうちは、親の口出しは尚更ひどいものである。
もしもその親が大成して社会において一廉(ひとかど)の人物であるなら、その言葉には重みがあり、耳を傾けて聞く価値がある。
だが自分のやりたいことに一つも取り組まずに生きてきた親の、世間の評判ばかりを気にしている言葉など、子供にとっては全く価値がない。
この親の口出しが子供たちの自信を失わせ、才能を失わせている。
実は私の父は愚かである。
我が母は文句のつけようのなく母親の勤めを果たしてくれた。我が母ながら賢い人だと思う。
我が父は金銭面においては、他の父親に比較しても立派な勤めを果たしてくれた。
だが一時的な金銭的成功で舞い上がってしまい、他者を見下している。すでに事業が失敗して何の立場もないのに、その思い上がった態度は継続している。口を開けば社会や家族への不平不満しか出てこない。
これまでの父のエピソードをいろいろ聞けば、その素質は素晴らしいものがある。だが己の身を修めなかったばかりに、愚かな老人になってしまった。
この愚かな親を変える取り組みについて、これから述べていく。