仕事や働きといえば、多くの人が「金を稼ぐこと」と思いつくだろう。
果たして賢者の仕事は金を稼ぐ事だろうか。
「それは違う」と誰でも思うだろう。
では賢者の生業(なりわい)とは何であろうか。
これに答えられる者は少ない。
賢者の仕事は次のように定義される。
「人類に知恵を授け、新たな文化文明を創造する。」
その目指す姿は必ず楽園である。
・人々の争いをやめさせ、互いに協力させ、不可能を可能にさせる。
・子供たちに高度な教育を施し、堅固な社会を作る。
・音楽と踊りと笑いに満ちた風土を定着させる。
これを四文字の漢字で表現すると「楽園創造」となる。
賢者は実はクリエイティブな仕事である。
自らが理想世界を提案し、多くの人々を巻き込み、小世界を創造する。
その小世界が楽しく正しければ、世界に伝播する。
そこに至って初めて世界の文明文化の進歩に貢献できる。
問題は正しいだけでは楽園は実現できない点である。
むしろ正しさは人々に窮屈さを与え、人々の共感を得ない。
人々の共感を得られなければ新世界の創造など出来るはずもない。
人々は理性(知恵)で動かないからである。
人々が求めているのは「快適」である。
難解さは排除し、少ない労苦で大きな成果を出す知恵。
これを人々に示めさなければ楽園は成らない。
それには誰もが一瞬で感じ取れるほどの「楽しさ」は絶対に欠かせない。
楽園の育成には「正しさ」より「楽しさ(喜び)」が重視されるほどである。
賢者は新世界の創造者である。
求められる成果の難易度は高く、その労苦は多くの人が知らない。