夫婦の本質を書き記して、改めて感じるのは愛の重要性である。
植物は土から水と養分を吸い、日の光を浴びて育つ。
寒冷な気温では育ちにくく、また土壌が乾いていてはなかなか育たない。
家庭も同じである。
相手の不平不満をぶつぶつ言い、怒りと憎しみに満ちた家庭では人は育たない。
どれほど家庭の土壌に栄養があっても、愛の潤いがなければ夫も妻も育たない。
そのような家庭で育った子供の魂はやせ細っている。
前途洋々たる人生を予感させる人は、愛に満たされた家庭に育った人である。
愛は家庭においても水の働きをする。
お互いに愛を注ぎあうことで、家庭が潤う。
愛に満たされた家庭は太陽のように明るい。
潤いのある明るい家庭で、夫も妻も子供も健やかに成長する。
愛はどれだけ注いでもなくならない。
むしろ注げば注ぐほど、愛は澄んでいく。
澄んだ愛に満たされた時に、人の魂は育つ。
また心の濁りを捨て去って、愛を注ぐようになれば、人を育てる人になれる。
互いを信じ、互いのために生きる。
伴侶は自分の半身と知り、半身を育てることは己を育てることと知る。
怒りと憎しみの感情をすべて捨てて、無心に相手に尽くす。
ここに自己犠牲の精神は不要である。
ただ相手のために愛を注ぐことは、大きな喜びでしかない。
すべてを相手に合わせる苦しみはある。
だが相手に合わせ切って、愛を成し遂げた喜びは計り知れない。
伴侶があなたの愛に感動し、涙して愛に生きる人に変わる。
その時を信じて喜んで無心に愛を注げばよい。
頭の良さと賢さはある程度関連するが、頭が良いと賢いは違う。
賢さとは幸福になる知識である。
賢者とは幸福になる知識を行う人である。
その中心には愛がある。
愛は水であり、賢さは土である。
愛は賢さを豊かに育てる栄養である。
愛を得て、初めて人は賢者になれる。