夫が妻を性愛で満足させる方法はすでに述べた。

妻の性愛の満足は、その精神性を高めるものであるとも述べた。

 

では妻は夫にどう接すれば良いのだろうか。

夫の性的満足を高めるために、じっと耐えて夫の乱暴な性行為に耐えるべきであろうか。

 

男性の燃える性欲は高めると碌(ロク)なことにならない。

性欲が高まれば高まるほど、獣ような本性を露見させる。

 

男には女を抱かないと気が済まない時がある。

 

妻は夫への愛情を示すために、その気がなくても仕方なく夫を受け入れる。

この妻の挺身の意味に気づかず、夫が射精のための性交を行ったとする。

妻にしてみるとこれ以上の乱暴はない。

妻が夫の乱暴に耐えれば耐えるほど、夫婦関係は冷えて悪化する。

 

夫は燃え盛えり、妻は冷え切る。

本来は交われば完璧に調和するものが、その交わる方法を失う。

男女の機微を知ることは、人生における重要課題である。

 

一番手っ取り早く夫の性欲を収めるには、妻が体を差し出すことである。

燃え盛る夫の性欲の炎を消し去るのは妻の愛である。

女性の愛には水のような働きがある。

射精への欲求が消えると、夫の獣らしさは鳴りを潜め、人らしさを取り戻す。

射精後の男性を「賢者モード」と呼ぶことさえある。

 

だが妻にも体調や心の在り方で、夫に求められると苦しい時がある。

求められるたびに夫に体を無条件で差し出すのは、奴隷である。

妻は夫の奴隷に成り下がってはならない。

家庭にあっては誰も幸福を求めて人らしく生きるべきである。

 

困ったときは知恵を絞るのが人の美点である。

射精以外で夫の燃える性欲の炎を鎮める方法はないか。

これを考えて答えを出していこう。