ひょんなことから、19才で神田錦町の32席のイタリアンの店長兼料理長になり、徹夜で必死に料理を覚えたら、あれよあれよという間に行列の繁盛店になってしまい、一躍会社のヒーローになってしまいました!
本当に、毎日終電で泊まり込みで教えに来てくれた先輩イタリアンコックさんのおかげでした!!
センス良く、最新の、本場イタリア志向で、茹で上げアルデンテにこだわった料理道を教われたおかげに尽きます!!
そんなこんなで、そのパスタ屋さんの店長だった時代から約15年後くらいに勤めていた会社で、私の業績が良かったので、南仏のニースとモナコ10日間のご褒美的研修旅行に連れて行って頂けました!
南仏のニースは地中海に面していて、小さな国モナコを挟んでイタリアに近いので、料理もイタリア料理に近く、オリーブオイル、トマト、にんにくを良く使いますし、そのソースで新鮮な魚介類を煮込んだブイヤベースが名物の地方です。
一応ビジネス研修旅行でしたので(笑)、会社が現地在住の日本人ガイドを雇ってくれて、全て行き先のアレンジと予約などをしてもらえ、個人旅行では行けないような所にもアポ取りして連れていってくれて、大変ヨーロッパの文化や歴史などを体験できた密度の濃い旅行でした。
初ヨーロッパでしたので、石作りの建物がメインで、法律で取り壊せず改装改装の繰り返しで、築100年、200年などの建物が普通というのを直に触れたのはとても勉強になった文化体験でした。
高級なホテルのディナーも体験させて頂けましたし、ある高級ホテルのメインダイニングのランチでは、きちんと予約が入っているのに、我々が黄色人種10人のおっさんという奇妙なグループを見た瞬間、中年白人フランス人の男性のレセプショニストのおじさんが固まった表情で、待たされ、あからさまに、景色の見えない奥の大きな宴会場に我々だけでポツンと通され隔離されるという人種差別もしっかり体験できました(笑)
ガイドさんがクレーム入れても「嫌なら帰ってくれ」と言われておしまいでした(笑)
ある日の夜は、街場の大衆的なイタリアンで夕食でした。
確か、我々日本人のおっさん10人連れは、夜の7時くらいからの入店でした。
その時に、既に店内は8割くらい入っていて、私たちで満席のような感じでした。
そこはイタリア系フランス人のお店なのでしょうが、店内のお客もそんな感じです。
そこは、やや大衆的なビストロのような雰囲気のイタリアンフレンチレストランで、高級レストランのような人種差別のような雰囲気は全くなかったのですが、やはり店内では異様なグループです(笑)
男性のみで食事に来ている客はいなかったと思います(泣)
そして、我々10人は、いつも週何回も会議やランチや飲み会をしているメンバーで、いかも男だけですから、話題など30分くらいで底ついてしまいます(笑)
せいぜい、ワインや料理がくる度に多少、うんちくや感想を言い合う程度で沈黙になります(笑)
それを見たガイドさんが、とにかく料理をどんどん早く持ってきてくれとオーダーしに行ってくれました。
そしたら、90分くらいでデザートまで行き、エスプレッソも終わって、全員会話が尽きたあたりで、お会計でお店を出ることになりました。
はっ!!?とその時気付いたのですが、私たちより先に来ていたフランス人たちで会計した人はゼロです!!(笑)
デートで二人で来ているカップルなどは、2時間くらい経っても、前菜とピザとサラダなんかを1時間に一個ずつ頼んで、ワインもちびちび舐めるように飲んで、ずっと楽しそうにしゃべってます!(笑)
当時日本のテレビでも使われ始めていた「Slow food」ってこういうことなんだぁ!!
と勉強になりました。
ヨーロッパでは毎日のディナーにお父さんも家に帰って家族揃って食べるのが当然の当たり前で、しかも、それを家族でしゃべったりしながら、2時間とか4時間とかかけてディナーするのが普通なんだぁ、デートでもそうなんだぁというカルチャーショックでした。
日本人は夕食がカレーライスだと10分20分くらいで終わっちゃうこともある育ち方だったので衝撃でした!(笑)
1時間に一回くらいに一皿ずつ注文しているカップルもいましたしね。
ちなみに、パスタも提供時は、やはりボッキボキでした!!
私たち日本人は、そばやラーメンなどを伸びないうちに食べないとという感じで早食いしてしまいますが、フランス人はそんなこと気にしないようです(笑)
ボッキボキのアルデンテも食べるし、30分以上経って伸び切ったパスタでも問題ないようです。
つくづく日本人のせっかちさ、せせこましさを体験いたしました(笑)