ひょんなことから、19才で神田錦町の32席のイタリアンの店長兼料理長になり、徹夜で必死に料理を覚えたら、あれよあれよという間に行列の繁盛店になってしまい、一躍会社のヒーローになってしまいました!
本当に、毎日終電で泊まり込みで教えに来てくれた先輩イタリアンコックさんのおかげでした!!
センス良く、最新の、本場イタリア志向で、茹で上げアルデンテにこだわった料理道を教われたおかげに尽きます!!
その教えに来てくれた先輩イタリアンコックさんに教わってびっくりしたことがまだあります!
それは、茹で湯の加塩量のことです。
一番最初、味見スプーンで、「もっとだなぁ」と繰り返し追加投入されていったのですが、当時のその業務用の茹で釜は、5人前×4カゴのサイズ、つまり同時に20人前くらいまで茹でられるのですが、
最終的にはコーヒーカップ並々4杯まで入ってしまいました!!(驚)
たぶん、一度に700gか800gくらいだったと思います。
業務用の5kg入りの大きな塩袋が4つ入っている、要は業務用の20kg米袋と同じサイズで注文していたのですが、1週間持たずに5kgがどんどんなくっていきました。
今では1%塩水で茹でるというのは常識ですし、落合シェフなどは1.5%塩水だとおっしゃってます。
以前の料理長さんは、その10分の1くらいしか入れていませんでした。
味見をすると海水より、ちょっと薄いくらいかなぁ~って感じの塩分量ですね。
ここまで塩分濃度を強くするのは大変多くの意味があります。
パスタだけで食べても、まあまあたべられるくらいの味になります。
オリーブオイルや少々の醤油を回しがけして、あとはテキトーに具材を加熱して食べても、食べ物っぽい味になってしまいますし、噛むとジュワっと味付きの肉汁ならぬ、小麦汁が出てくる感じがします。
そして、パスタの方にそのくらいまでしっかり塩味が付いていると、ソースの方は自由に味付けができるようになります。
ボンゴレビアンコ、ペスカトーレビアンコなどの白ワインソースなどは特にそうですが、新鮮な魚介類の風味が最大に活きる、薄目の塩加減でも、パスタ全体としてはちょうど良い塩加減で仕上げられるようになります。
それまで、普通のお店のうっすい茹で湯のパスタだと、ソースの塩分をきつくしてトータルの塩分を調整していかないと、料理として美味しくない料理に仕上がってしまいます。
そして、それでも、トータルの塩分が「薄い」と感じられてしまうと、テーブルの粉チーズ(エダムパウダー)があっとい間に無くなってしまい、コスト的にも大変なことになってしまいます。
いかにトータル塩分量をばっちりにするか?
もちろんしょっぱすぎると料理として欠陥品です。
でも、茹で湯の方の塩分をギリギリに高めておくと、かなりそれ以外の自由度が広がるのです。
そして何よりも美味しいのです!
そして、料理用には全て、テーブル用と違い、無煙バターを別に仕入れて、塩分量を頭で計算できる料理設計の仕方もそうでしたね。
テーブル用の加塩バターで料理してしまっている料理人やお店がまだまだたくさんあった時代でしたので。
塩って振り方で量がわかりづらいし、跳ねて飛びちっているのか、全てが鍋にはいっているのかも振り方によってはわかりづらいし、カレーのように大量に一度に作る煮込み料理は調整がかなりできますが、1人前の180ccずつソースを仕上げていくパスタだと、本当に一杯一杯変化しがちです。
しかし、茹で湯の方でしっかりパスタに塩を吸い込ませておくと、本当にいろいろにことがやりやすい技術です。
そんな素晴らしい技術を、そんなの非常識の時代に教われたのは本当に幸運でした。
