全国的な問題なので長野県に限った話ではないのでしょうけど、
県内は「市」と付くエリアでも、少し郊外に行くと空き家が目立ちます。
かつてはお婆さんが住んでいて、いつも家の玄関先に座り、道行く人を眺めては、いい天気だねぇ、なんて声をかけていたのが、
ある日を境にお婆さんを見なくなり、
そして家の前に、売り地、の看板が立つ。
近所でもそんな光景を何度か見て来ました。
一方で、多くはないのですが、そんな空き家を買い取って都会から移住して来られる方々も近年ぽつぽつと増えている気がします。
民泊を始めたり、農業を始めたり、商売を始めたり、暮らしぶりは様々。
先日、そうした一例になるのか、
木曽の贄川宿(にえかわじゅく)というひなびた宿場町に、シェアハウスをオープンした若い方々がいて、建物を公開し、古物の販売会などをしていたので興味半分で見に行ってみました。
現在の贄川宿
宿場noie坂勘
発起人の方は、名古屋出身。
高齢化で管理する人が絶えてしまった遊休農地を利用して農業を営む傍ら、焙煎珈琲を煎れて店に出したり、イベントで売ったりという生活を営んでいる様子です。
オープンした建物は、かつて旅籠(旅館)であった古宿を自分たちで改修したもの。
諏訪坂勘助という3代続いた家主の名前にちなんで「坂勘(さかかん)さん」と地域から呼ばれていた事から、
宿場noie坂勘(しゅくばのいえさかかん)という名前が付いています。
現在は7名の方々が住んでいるとの事でした。
さて、行った日は、
入口で珈琲の焙煎をやっており、建物の一階の一部で古物(食器等)の販売をしている人がいました。
玄関を入ると、住民の方が中を案内して下さいました。
昔の旅籠とあって、独特な作りです。
中庭や裏庭もあって、納屋もあって、広いです。
そしておそらく改修に最も力を入れたらしき共同キッチンのお洒落な事。
共同キッチン
一階の一部
床は様々な色の木材が組み合わされています。製材所で不要になった木材を組み合わせたのだとか。
200名もの人々が関わり、手作りで改修したそうです。
様々な木材を組み合わせた床
売られていた食器を見て、
ファイヤーキングもどきみたいなミルクガラスのマグカップを発見し、
この模様はなんだろね?なんて言いながら、500円で買いました。
ミルクガラス、珍しいですよね。
この日一階の一部で食器が売られていた
長野県は元々観光県というのもあり、製造業を始め企業も多い事から、移住者には寛容だと思います。
(あくまでも私見ですが)
そして、この木曽地域の人々は、特に親切な気がします。
宿場noie坂勘に住む皆さん、地域に溶け込んでエリアを活性化してくれる事でしょう。
ただいま住民を募集している様です。
ところで、長野県には空き家バンクというのがあります。
なんと100万円から土地建物が買えたりします。
更に自治体によっては移住者に様々な特典が付いたりもします。
ご興味ある方はぜひ。
木曽の奈良井宿
(贄川宿のすぐ近く)