熱中症にご注意ください | 石巻健育会病院のブログ

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石巻港湾病院は石巻市大街道に移転し、病院名も新たに「石巻健育会病院」としてリニューアルオープンしました。
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ご高齢の方にとっては、熱中症というより日射病のほうがなじみ深い言葉と思います。

日射病というと、夏の暑い日に外でガンガン照りの太陽にさらされて起こるというイメージがわきます。

外ではなく、狭く閉ざされた高温多湿の場所でも同じような状態がおきる、これを熱射病と言っていました。この2つの病名をあわせて、今は熱中症と言っています。

熱中症は脱水と塩分喪失でおき、梅雨時から9月位までの熱くて湿度の高い時期に頻発します。この時期太陽にさらされてのスポーツ、仕事、農作業は熱中症をおこしやすい状況で注意が必要です。

 

今日は、家の中でおきる熱中症の話をしたいと思います。

熱中症の80%は65歳以上の高齢者です。若い大人の体内水分量は60%であるのに対して、高齢者は55%しかありません。体重50キロと仮定すると、若い人は30リッター、高齢者は27,5リッターとなり、高齢者は2,5リッターも少ない体内水分量で、脱水に弱い体です。又、高齢になると、熱さに対する感覚が衰え、本来、熱いと感じるはずの温度を熱いと感じなくなり夏でも厚い長袖シャツを着て熱をためこんでしまうことがあります。

 

 

熱中症予防には、クーラーを使うこと、水分を十分に摂ることが重要です。クーラーはきらいだ電気代がかかりイヤだという考えは改めて下さい。クーラーは温度と湿度をコントロールできます。また、夜中にトイレに度々行くことになるから水分を控えるという考えも改めて下さい。寝ている間でも汗はかき脱水していきます。

 

夏といえばビールで十分水分をとっているという考えも改めて下さい。水分量はとれますがアルコールの利尿作用で、脱水傾向に拍車がかかります。

熱中症では、水分だけでなく塩分も失われます。高齢者には高血圧のため塩分を控えている方も多くいますが、熱中症予備軍と考えることもできます。水分と塩分を補給できる飲み物は、スポーツドリンク、味噌汁、麦茶と梅干などです。また、スイカやキューリは水分量が多い食品で塩やみそをつけて塩分摂取もできます。

 

熱中症は軽症から重症まで3段階に分かれており、家庭で対応できるものは軽症だけです。

意識がない、痙攣しているなどの中等症から重症は早目の医療機関受診が必要です。軽症の症状としては、汗が異常に多い、あるいは、汗がまったく出ない、立ちくらみがする、気分が悪い、元気がない、小便の色が濃い、こむら返りがおきる、体温が高いなどがあり、自分自身や家族の方の注意で気がつけることがたくさんあります。

家庭でできることは、体を冷やすこと、体を休めて水分と塩分のある飲み物をとることです。

もし、飲むことができない場合は医療機関で点滴をするようにしてください。

 

 

熱中症にかからず夏場をのりきりましょう。