今年の蓼科高原鉄道は2つの電源のうち1つが動かないため開業を延期していた。そして解決に長時間を要した。その経緯をメモっておこう。
(一番左の小さな電源は蓼科町市内線「レイチャンライン」用)
(1)左の電源では電車が動くのに右の電源で動かない。ここで右の電源に問題があるとしか考えなかったのが第一のミスだった。昨年は左の電源が動かず製造元の弟に送ったところ、ナットが落ちてそれがショートの原因だったので、今度は右の電源に問題が起きたと考えてまた弟に送った。
弟は前進、後進の切り替えスイッチ(上写真の左上)の摩耗がひどかったのでこれが原因ではないか、一応修理したが同じようなスイッチは4カ所あるから、今後は別のスイッチに結線するように示唆してくれた。
(2)たまたま大塚耕平さんのお別れの会のために来ていた名古屋で弟に会って、修理済みのそれを受け取った時、お茶を飲みながら何気なくポイントマシンの話になった。けんじいが作った運転操作盤はタッチコントロール方式なので、一般的なポイントマシンの切り替えとは方式が違う。弟は配線を見て、どうして50年前にこんな配線をしたのか不思議だと、一般的なポイントマシンの方式に付け直してしまったと言う。
それは大変だ、列車は走るがポイントマシンが動かないでは困るということで、また家に持ち帰ってけんじいが友人と夕食をしている間に元に戻してくれた。市内とは言え名古屋の都心から遠いので、けんじいはこの日に2度も往復し、1日の歩数は15千歩になった。
(3)さて、蓼科に自分で運んだ電源にスイッチを入れるとやっぱり同じ現象で列車は動かない。しかし修理したはずの電源から直接モーターに結線するとちゃんと電圧が上がり動く。そもそもこれを真っ先にやるべきだった。ということは、元から電源に問題はなく(摩耗していたことは事実でメンテとしてありがたかったが)運転操作盤(上は一番上の写真の中央にあるものを裏から見ている)の中に問題があるということだ。
虫の死骸でもショートするというので掃除機をかけた。でも直らない。そしてついにAIに聞いた。AIは、「区間ごとに通電するスイッチの経年劣化が1番考えられるので、1区間ごとにスイッチを入れてどれが問題なのかをまず確定させてください」と言う。その時はあまり意味がよくわからなかったが、「実はここは標高1450mの高地です」と伝えたら「真冬の寒さで結露が生じ、それが酸化皮膜を形成している可能性があります」と言って3つの対応策を提示してくれた。そのうちの1つがドライヤーで乾かすことだった。
(4)一方、弟からも同じように区間ごとに試してみるように具体的な提言が電話であったので、AIの文章では分からなかったその意味が分かり、やってみたところ電圧の上がらない区間が1つ特定できた。その区間に通電している故障したスイッチと同じタイプのものを入手して交換するしかない。それでも「下の周回線から上の周回線に登っていく2つの路線のうち1つが動かないだけなら、それを使わずに通常の運転は工夫次第でできる、完全に直すには東京に帰って部品を探しに秋葉原に行くのか」と観念した。
そして弟に「AIに聞いたら結露の話も出てたよ」と伝えたことで弟から「スイッチ交換の前にダメ元でドライヤーで乾かしてみたら」と言われドライヤーで乾かすと、なんと全区間で列車が動き始めた。区間ごとのチェックによる特定とドライヤーの使用、弟とAIの二人?の頭が協力して直してくれたわけだ。弟は天才だと元から思っていたが、超優秀な現代のAIに負けないレベルであることがわかった。もっとも本人はこの表現(AI並み)に不満そうだったが。
何しろ来年で電源も運転操作盤も50年になるシロモノ、いつまたトラブルに見舞われるか分からないヒヤヒヤの鉄道事業が続く。いやその前にけんじいがくたばる方が早いかも。





