東京新聞の高橋秀実氏「新聞を読んで」で、
「○○が分かった」「○○との考え方を示した」「○○の公算が大きい」などといった決まり文句の多様を指摘しているらしい。原文を読んだのではないが、どうも批判的なニュアンスで書いてあるようだ。
で、思い出したこと。
大学時代アメリカで、新聞記事を書く授業を受けていたのだが、そこで習った基本のひとつに、
He thinks ~ は、使ってはならないというのがあった。正しくは、
He said he thinks~。 つまり、
「彼は~と考えている」と書いてはならない。
「彼は~と考えていると言った(話した)」と書くべきということだった。
“彼”が何を考えているかは、記者はわからないからという理屈だったと思うが、同じように、「感じている」「喜んでいる」「怒っている」「悩んでいる」などの動詞も直接は使えないと習った。
これは英語表現においての基本なのだろうか。日本の新聞では、全くこの書き方は適用されていない。確かに、日本語でこの書き方だと、味わいがなくなってしまう。かといって、決まり文句を多用しても、それも味わいは無い。
しかし、ニュースというのは、ある程度型に分けられてしまうのは、必然ではないか。コラムのような文章なら表現力が求められるのだろうが。