インターネット上に掲載され、全世界に公開されている。撮影したのは米国農務省(USDA)のカメラマンで、Public Domainとして、Wikipediaなどに広く転載されている。

http://web.archive.org/web/20041016211519/www.usda.gov/oc/photo/02c2041.jpg
ほとんどの人は、この写真を児童ポルノだとは思わないし、この写真を提供している米国政府を非難したり、犯罪者と断じたりはしない。
では、児童ポルノとは、何だろうか。
児童ポルノの定義は一様ではないが、「児童の権利に関する条約」(1989年)に附属する
「児童の売買、児童買春及び児童ポルノに関する児童の権利に関する条約の選択議定書」(2000年)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jido/pdfs/je_pamph.pdf
においては、
「児童ポルノ」とは、現実の若しくは擬似のあからさまな性的な行為を行う児童(18歳未満のすべての者をいう。ただし、当該児童で、その者に適用される法律によりより早く成年に達したものを除く。)のあらゆる表現(手段のいかんを問わない。)又は主として性的な目的のための児童の身体の性的な部位のあらゆる表現をいう。(第2条C項)
Child pornography means any representation, by whatever means, of a child engaged in real or
simulated explicit sexual activities or any representation of the sexual parts of a child for primarily sexual purposes.
とされている。
また、日本の「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」(1999年)においては、
「児童ポルノ」とは、写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物であって、次の各号のいずれかに掲げる児童(十八歳に満たない者)の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものをいう。(第2条第3項)
一 児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
二 他人が児童の性器等(性器、肛門又は乳首)を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
三 衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
とされている。
つまり、児童との性行為(類似行為を含む)や児童同士の性行為を表現したもの、または、児童の姿態を表現したもののうち、性欲を興奮させたり、刺激したりするものが児童ポルノである。
上の写真は、児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態を表現したものであることに間違いはないが、性欲を興奮させたり、刺激したりするものではないので、児童ポルノとしては扱われていない。
さて、最近、裸の女性アイドルの乳首に少年が手を触れている写真が児童ポルノではないかと騒いでいる人がいる。
その中には、日本では「乳首を児童に触らせる行為」は法律で禁止されているとまで言う人もいるが、これは全くの誤りである。もしも、本当に禁止されているのであれば、母乳による育児はできないことになってしまう。
禁止されているのは、性行為等として行われるもの、あるいは、性欲を刺激したり、満たしたりするために行われるものである。
「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」(1999年)においても、「この法律の適用に当たっては、国民の権利を不当に侵害しないように留意しなければならない。」(第3条)と、わざわざ一条を設けて注意を喚起し、日本国憲法が保障する表現の自由(第21条)に配慮している。
単純に、児童が乳首に触れている写真
http://www.ayomi.co.jp/photo/0606/kaminuma_3.JPG
=児童ポルノではないのである。
とは言え、世の中には、俗に○○フェチと言われるような、他人とは、やや異なる物や行為に性的な興奮を感じる人もいるので、「外国人の少年が上半身裸の河西智美さんの胸部を後ろから触っている写真」を見て、性欲を刺激される人もいるであろう。
そういう、かなり特殊な性的嗜好を有する人にとっては、このような写真も児童ポルノかも知れないし、そういう性的嗜好を有する人達の間で共有する目的で作成したとすれば、この写真も立派な児童ポルノとなる。
しかし、ここで誤解してはいけないのは、こういう特殊な性的嗜好を持った人達が性的な興奮を感じるのは、乳首を隠されている川西智美さんの裸体に対してではなく、女性の乳首を後ろから隠している少年の姿に対してである。こういう人達にとって、少年の前に立つ女性は、極端な話、90歳の肥満体の老婆であっても構わないのである。
一方、あの写真が児童ポルノだと騒いでいる人は、少年の前に立つ女性を90歳の肥満体の老婆に変われば、グロテスクと非難する人はいても、もはや児童ポルノとは言わなくなるだろう。
つまり、外国人の少年によって乳首を隠されている「裸の河西智美さん」の姿に人々が興奮するのであれば、この写真は、児童ポルノではなく、単なるポルノ、または猥褻図画なのである。
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児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律
(平成十一年五月二十六日法律第五十二号)
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H11/H11HO052.html
(目的)
第一条 この法律は、児童に対する性的搾取及び性的虐待が児童の権利を著しく侵害することの重大性にかんがみ、あわせて児童の権利の擁護に関する国際的動向を踏まえ、児童買春、児童ポルノに係る行為等を処罰するとともに、これらの行為等により心身に有害な影響を受けた児童の保護のための措置等を定めることにより、児童の権利を擁護することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「児童」とは、十八歳に満たない者をいう。
2 この法律において「児童買春」とは、次の各号に掲げる者に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等(性交若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等(性器、肛門又は乳首をいう。以下同じ。)を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせることをいう。以下同じ。)をすることをいう。
一 児童
二 児童に対する性交等の周旋をした者
三 児童の保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう。以下同じ。)又は児童をその支配下に置いている者
3 この法律において「児童ポルノ」とは、写真、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に係る記録媒体その他の物であって、次の各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものをいう。
一 児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
二 他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
三 衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
(適用上の注意)
第三条 この法律の適用に当たっては、国民の権利を不当に侵害しないように留意しなければならない。
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日本国憲法
(昭和二十一年十一月三日憲法)
第三章 国民の権利及び義務
第二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
○2 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。
第三十一条 何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。
第三十九条 何人も、実行の時に適法であつた行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれない。又、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれない。
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『AKB不適切写真 警視庁、講談社幹部を聴取 児童ポルノ禁止法抵触か』
【産経新聞 2013年1月18日】
アイドルグループ「AKB48」のメンバー、河西智美さん(21)の写真集の一部に不適切な表現があったとして、発行元の講談社が写真集の発売を延期するなどした問題で、警視庁少年育成課が児童買春・ポルノ禁止法違反容疑で、同社の編集幹部から事情聴取していたことが17日、捜査関係者への取材で分かった。同課では、外国人の少年が上半身裸の河西さんの胸部を後ろから触っている写真が「児童ポルノ」の提供などにあたるか慎重に調べている。
問題の写真は、講談社が2月4日に発売を予定していた河西さんの写真集の表紙と、1月12日発売の漫画誌「週刊ヤングマガジン」上の写真集の発売告知用に使われる予定で、10日付のスポーツ紙やインターネット上にも掲載された。
捜査関係者によると、同課は掲載された写真を確認した上で、「写真が本物なら、同法で禁止された乳首を児童に触らせる行為にあたる」と判断。翌11日に編集幹部から写真撮影の経緯などについて事情を聴いた。編集幹部は「不適切な表現があった」として、ヤングマガジンの発売を延期すると話したという。
同課は発売を自主的に延期した点などを考慮しつつも、同法違反容疑での立件も視野に捜査。捜査幹部は「児童ポルノへの罰則が日本より厳しい欧米系とみられる少年がモデルに使われているため、国際的に問題視される可能性も考慮した」と捜査の背景を説明する。
講談社は17日、ホームページなどで今回の経緯を公表し、「写真集の企画内容についての責任は発行元にある。出演者への配慮が欠けているという指摘などに謙虚に耳を傾け、今後の編集業務に生かしていく」と釈明。同社広報室は「警視庁からの事情聴取については確認できていないので答えられない」としている。