牛丼
何日か前、牛肉価格の高騰を予言した。
今日から吉野家で並盛270円。(大盛370円)
自分と世の中のずれっぷりに半ばあきれながら早速食べに行った。
理由は後で述べるが、迷った末に大盛を頼む。
吉野家が他のチェーン店と比べ、最も優れていると感じるのはその玉ねぎの柔らかさであると断言する。生は論外として、酢豚やカツ丼に乗っている固い玉ねぎが嫌いだ。調理とはその食材が持つ旨味(語源から明らかなように言い換えれば甘味)を最大限に引き出すことが正しいと考える。玉ねぎの旨味を花開かせるには長時間の加熱を必要とすることは言うまでもない。まして、それ以外の具材は牛肉しかないのである。頭痛薬の半分は優しさで出来ていなければならないのと同様、牛丼の旨さの何割かを担うべきである。そこに於いて、愛しさと心強さはさほど重要でないと考える。
また、私の中のルールで、七味も紅生姜も用いない。何故なら、本当に必要であれば料理人がその責任に於いて適量を盛って提供すべきであるからだ。これは、パスタに於ける粉チーズや、ラーメン屋の胡椒も同じことが言える。以前、一緒にラーメンを食いにいったおねぇちゃんが味見もせずに大量の七味をかけて、結局その子と二度と会うことはなかった。俺がその日のうちにふられたのである。
私は実に牛丼の食べ方が下手だと思う。肉がまだ三切れも残っているのにご飯がなくなってしまう。
悩んだ末に並を追加で注文する。
食前にミスドでドーナツを二つ食べたと言うのに!
サプライズは止まらない。
お会計を頼むと540円だった