優の詞もことによりて斟酌すべきにや、まされるがほめけるをだに辛くとがめけり。況んや、劣れらむ身にて褒美、なかなかかたはらいたかるべし。かやうのことはよく至りたる人のすべきとぞ。
今回は古文です。前回が日本人の心というものを和歌に絡めた古今和歌集を紹介したので、今回は人間関係に焦点を当ててみました。
意味としては、
「褒め言葉もよく考えて使わないとあかんよ。だって、ちょっと優れた人間がちょっと劣った人間を褒めても褒められた人は腹を立てたんだよ、まして劣ってる人が褒美をするなんて怒りを通り越して、気の毒で痛々しい気持ちになるよ。だから褒めたりするのはその道の達人クラスの人間じゃないとダメだよね。」ということです
古文としての解説は冒頭の「優の詞もことによりて斟酌すべきにや、」が挿入句であり、「~よく考えるべきなんだろうね、というのは~」ってな感じその後の文に繋げるように読んで行きます。
この文章での「傍ら痛し」の訳し方は注意しておいてくださいね。現代文では「片腹痛い」ととってしまうことが多いですから。
また、「なかなか」という副詞は逆接的に「かえって」と用いられ、解釈でも重宝します。要チェックですね。
後、副助詞「だに」の訳し方に注意して下さいね。
「ーでさえ…ましてーはもっと…だ」と類推の構造で使いこなせるようになっておいてくださいね
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