SNSの画面を眺めていると、「守備を固める剣道」を推奨する投稿が目に飛び込んできた。守りを固めて相手に打たれずにいれば、いつか勝機がうまれるというロジックだ。

投稿の発信主は、輝かしい戦績を提げたインフルエンサー。彼が発信した情報ということで、「守備を固める剣道=勝てる剣道=正しい剣道」と理解した受信者もきっと多いだろう。


「守備を固める剣道」は僕が学生の頃もあった。しかし当時は、「ホントはいけないんだけどね」という罪悪感がセットだったように思う。


僕が高校生だったある日、部内で試合が行われた。僕の相手は1学年後輩だけど、将来期待の有望選手。どんなことをしても負けられないと思った僕は、試合開始と同時に守りを固めた。いわゆる「三所避け」のポーズだ。それを見ていた先生は、試合を即座に中止して僕を叱った。それはそれは厳しく


もう30年以上も経つのに、僕はこの出来事を鮮明に覚えている。そして、この出来事が、今の僕を構成する大切な要素になっていることは間違いない。

あの時、守りから入ろうとした僕を見逃さず、厳しく叱ってくれた先生に、今とても感謝している。



スポーツ情報サイト『New Road』で連載させてもらっている僕のコラムを添付しました。あわせてお読みいただければ嬉しいですm(_ _)m

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