おはようございます。
カーペンターの小西です。
今回は、ロッドの弾性とロッドアクションに加えて、ロッドの 曲がりやすさ を示す「HP・NC・N」について説明します。
以前のブログで、弾性とアクション、そして曲がりやすさを組み合わせた3次元の概念図を作る、という話をしました。
実際に3次元で図を作成してみたのですが、この種の図は、ソフト上で回転させて初めて正しく理解できる もので、ブログに貼り付けた静止画像では、どうしても平面的に見えてしまいます。
その結果、人間の視覚の錯覚もあり、本来伝えたい立体的な関係性が、正しく伝わりにくいという問題がありました。
そのため今回は、3次元図そのものを使った説明は行わず、2次元の図を3枚に分けて説明します。
まず、最初の図です。
この図は、弾性とロッドアクションの関係を示した、これまでお見せしてきた図になります。
この図の中で
弾性「High」
弾性「Semi High」
この2つの弾性階層には、ロッドの曲がりやすさを表す要素としてHPとNCが存在すると考えてください。
それに対して
弾性「Semi Middle
弾性「Semi Low」
弾性「Low」
これら それ以下の弾性階層については、HPとNCのどちらかに大きく振る設計ではなく、両者の中間となる性格として成立しています。そのため、これらの階層のロッドはN(Normal) としています。
◼️3次元の図を3枚に分けたもの
下は「曲がりやすさ(HP)」を示した図です。
HPとは、同じ弾性・同じアクションの中で、張りがあり、反発力が強く、戻りの速さを重視した方向の曲がりを示します。
次に、「曲がりやすさ(NC)」を示した図です。
NCとは、同じ弾性・同じアクションであっても、よりスムーズに曲がり込み、綺麗な曲線を描きながら粘るような性質の曲がりを示します。
ここで重要なのは、HPとNCは「どちらが良い、悪い」という関係ではありません。同じ階層の中での性格の違いを示しているだけです。
最後に、「曲がりやすさ(N)」を示した図です。
この図に配置されているモデルは、弾性が Semi Middle 以下のロッドで、HPとNCの中間的な性格を持っています。
整理すると
●弾性 High / Semi High→ HP / NC という曲がりの方向性が明確
●弾性 Semi Middle 以下→ HPとNCの中間=N(Normal)
という考え方になります。
このように、ロッドの弾性、アクション、曲がりやすさは、それぞれ独立しているのではなく、立体的に関係し合っていると考えています。
◼️HP・NCが必要な理由
なぜ HP / NC という考え方が必要なのか、その理由について説明します。
大物釣りでは、ファイト中に必要となる体力の差が、そのまま アングラーの身体への負担の差になります。
体力があるアングラーと、体力が少ないアングラーでは、同じ魚を掛けても、受ける負担はまったく同じではありません。
体重が軽い方、筋力や持久力に自信がない方にとっては、ファイトそのものが大きなハンデになります。
そこで私は、この体力差・体格差を、ロッドの性質を利用して、少しでも埋められないかと考えました。
その答えのひとつが「NC」という考え方です。
たとえヘビーロッドであっても、NCのロッドは曲がりやすく、ロッド全体で負荷を受け止めます。
そのため、体力が少ない方や、体重が軽い方でも、ファイト中に無理な力を使わず、魚とやり取りしやすくなります。
一方で、GTゲームでは、ある程度大きなルアーを、しっかりとアクションさせないと釣れにくいという現実があります。
それに対応するためには、ロッドには十分なパワーが必要です。
大きなルアーを正確に動かすには、ティップにも明確なパワーが必要になり、ロッドは必然的に 硬い性質になります。
しかし、ただ硬いだけのロッドでは、アングラーの身体への負担が大きくなります。
そこで、そのような高出力ロッドであっても、少しでもマイルドな性質にし、アングラーを助けること。
それが「NC」という曲がりの考え方を取り入れた、最大の目的です。
ロッドの強さは、魚に勝つためだけのものではありません。
アングラーが最後までファイトできること、そのための強さでもあると、私は考えています。
「BLF81/35 NC TP.N」は、この性質を顕著に示しています。私がGT釣りでPE8号を使い、160g前後のルアーを使う時は、このロッドを選びます。



