《あきらめないで》
わたしは、
生まれたときから
手足がない。
小さいときは、
それを当たり前のこと
と、思っていた。
生まれてちょうど二十年。
大人になり、
その間、ずいぶんと、
いろいろなことが
あった。
初めての感動、
初めての挫折、
心の中で叫んだ
熱い気持ちを、
書き留めた…
勇気を出して
友人に見せたら、
「なんだか勇気がわくね」。…
そうかっ、そうなんだ❗
友人と、
家族と、
泣いたり、
笑ったり、
滑ったり、
転んだり、
日々の出来事が、
みんなを
勇気づけることが
できるんだ、って
初めて知った。
だから、
詩の枠にこだわらず、
紙に写し
一冊の本にまとめた。
ー幸せの条件ー
わたしを見た おばさん、
頑張ってねって、
言いながら通りすぎた、
ありがとうございます🙇
通りすがりの
おばさんに、
まあ かわいそうって
言われた、
ちっとも
かわいそうじゃないよ、
家族に愛されて
友達に支えられて
職場に恵まれて
幸せの条件そろってる。
ー心の底からー
不幸だなん
言わないでください、
かわいそうだ、
なんて
思わないでください、
生きる資格が
ないんだなんて
考えないでください
生まれてきて
よかったって
心の底から
思っているから…
ー生まれてー
この世に生まれて
後悔なんてない、
このからだに
生まれて後悔なんてない
普通の女の子です。
ー心がすべてー
手がなくっても
足がなくっても
心が欠けていなければ
それでいい。
ー世界にひとりー
顔が嫌い、
からだが嫌い、
自分が嫌い、
世界にただひとりの
自分って思ったら
ちょっと好きになった
ーわたしの部屋ー
自分の部屋が
いちばん落ち着く
ピンクのカーテン、
壁には大好きな
はんにゃのポスター、
お気に入りのクッション
にもたれて
携帯をいじったり
好きな女優さんが
出ているドラマを見たり
たまに
友達がやってきて
ワイワイ騒いで、、、
みんなと同じだよ、
みんなと変わらないよ
ー愛されたいー
障がいがあるわたしでも
人を
好きになったりするの、
歩けなくても、
手をつなげなくても、
たとえできないことが
いっぱいあっても
愛されたい
ーお母さんにー
生んでくれてありがとう
愛してくれてありがとう
お母さんの娘で幸せです
たくさん
たくさん
お母さんに
恩返しするからね
ー許してねー
こんなからだで
産まれてごめんなさい
日本一、ううん、世界一
幸せになるから許してね
ーあきらめないでー
産まれてきただけで
感謝、
感謝、
わたし頑張るから
みんなも
あきらめないで
佐野有美
1990年4月6日生まれ
愛知県出身。先天性四肢欠損症で生まれ、あるのは短い左足と3本の指のみ、それでも小学校から普通校に通い高校ではチヤリーデング部に所属し、"車椅子のチヤリーダー"として地元マスコミで話題となる。2009年春、高校卒業後はテレビ、新聞など多くの取材を受けながら、ボイストレーニングやラジオのパーソナリティーのアシスタントをして、将来は声優や、タレントを目指す。2010年6月、就職(一般事務)。現在、学校、企業、医療、福祉の現場から多数の講演依頼を受け積極的に活動中。