自作について ―最近の詩― ・その62 | 出会える日のために・2 けんちゃんのブログ

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いつもありがとうございます、これからもよろしくお願いいたします。







   はなむけのとき

 あなたがほほえむと
 花はほころび
 あなたがうつむくと
 花はすくっと立ち上がり
 静かに語り始める

 言葉はやがて
 ゆっくりと歩き出し
 あなたの心に
 小さな種を落とす

 まっさらな
 あなたの瞳から
 何かがあふれるとき
 花はゆらり

 あなたのすべてを
 輝かすために
 ひとり

 はるかな旅に立つ





かれこれ3年ほど前になりますが、別の書庫に「ハロウィン・ロケット」と言う物語を、
載せていたことがあります。
その物語の中に、載せてある詩になります。
「ハロウィン・ロケット ―17―」、2007年の10月25日です。
元々はその物語のために書いた詩ではなくて、すでに出来上がっていた詩です。
あなたと言うのは、おそらく別れた妻であったと思います。
色んな方を、ぼくは詩のモデルにして来ましたが、別れた妻がおそらく一番長く、
詩のモデルをしていたと思います。
平成17年・2005年のおそらく1月頃に、書かれたと思われる詩です。

どんな状況のことを詩にしたのか、思い出せそうにありません。
この詩を書いていた頃は、ぼくもまだ結婚しておりました。
でも、終わりが近づいている頃でもありました。
嫌いになったわけでも何でもなくて、色んな事情が重なった末に、
選んだ結末でありました。
そのような、ちょっと微妙な時期に書かれた詩です。
誰か他の人をモデルにしても良かったようにも、今となっては感じたりもしますが、
それは出来なかったようです。
詩のモデルは、別れた妻しか考えられないと思っていました。
そんなに頑なになることも、なかったのでしょうけど、
この詩を書いている時にも、別れた妻のイメージしか浮かんで来なかったようです。

向かい合って、何か話している時のことを詩にしています。
花はおそらく、部屋の中に生けてあった花のことだと思います。
もちろん、どんな花だったかは覚えていません。
話しながら笑ったりうつむいたりするのを、チラッと見たりしながら、
妻の姿と花を重ねて見るようになっていたのです。
おそらくその話は、別れると言う話であったと思われます。
あるいは、もっと違う話だったかも知れません。
いずれにしましても、はなむけのときなどと言う題は、
一体どこから浮かんで来たのか、何だか不思議な感じもします。
わずか5年前のことですけど、とても遠くに感じます。
この5年と言う歳月が、ぼくの心を大きく変えたと言うことであると、
今のぼくは感じております。

良いなあと思って出会い、この人しかいないと思って結婚して、
一生この人と一緒にいるんだと、結婚を決意してからはずっと思っていました。
それが離婚と言うことになり、かなりのショックを受けました。
ただ、この5年と言う歳月は、ぼくにとってどうしても必要な時間だったんだと、
今になって思えるようになりました。
「ハロウィン・ロケット」と言う物語を書いていた頃、
ぼくは心の病気で会社を休職していました。
このブログと言うのも、元々は心の病気を何とかしようと言う、
リハリビを兼ねたものであったのです。
少しずつ変わり始めたと言うのは、このブログを始めた頃と一致しているようです。
離婚、父の介護、さらに心の病気による休職。
全ては、ぼくに何かを知らせようと、していたのかも知れませんね。

ブログを通じて、おかげさまで多くの方と出会うことが出来ました。
これ以上書いていますと、進行中の個人的なことまで書きそうなので、
このくらいにしておきます。
きっとこの詩を、別れた妻へのはなむけとしたかったのだと、
今のぼくは思っています。






こんばんは。
こちらの詩とコメントは、今から14年ほど前に、
以前更新をしていた、自分の別のブログに載せたものです。

いつも読んで下さいまして、ありがとうございます。