柳原和子:がん患者学 | 鳥蝶Kenboyamaの痛快な日々:ハーブヨガの秘密をホリスティックな視点でご紹介

柳原和子:がん患者学

がんは現代人にとって、脅威

ということになっており、

毎年、多くの人々の命を奪っている病である。

一般に老年性のものは進行が遅いのだが、

中~若年性のものは進行が早く、告知→死までのスパンが非常に短い。



本書は「絶対に助からない」といわれた患者たちにインタビューを行い、

なぜ、助かったのか、生き残れたのかをレポートしている。


しかも、柳原氏は自信が卵巣がんに犯され、

闘病中の中でレポートを行っている。

読んで見れば分かるが、必死の本なのだ。




氏のがんを扱ったシリーズは好評で、これまでに数冊が発行されているのだが、

その端緒がこの本である。



あなたががんにならずとも、この本を読めば、10年前の医療側の問題が分かってくる。


末期患者の終末期医療などの問題を提起し、

日本の医療界に新しい流れを生み出すのにも貢献したといえば、言いすぎだろうか。




医療は日進月歩で進んでいくが、

人間の捉え方、特に「死」「病」という本質的なものへの向き合い方は

日本は何一つ変わっていない。



技術が進歩したところで、それに関わる我々自身が幸福にならなければ意味がないのだから。



それは勿論、代替医療の側にも言えて、

がん患者学のシリーズでは代替医療側の問題も語られている。

手技もって「がんが消えました」と言ってのける御仁の話など、盛りだくさんである。




死の前に右往左往する私たち人間の姿をあぶりだしている。

それは「がん」という、未だに解決不能な病の前だからこそ、描かれる現場なのだろう。




小賢しい知恵を振り回しながら、勝った負けたと

喜んだり、泣いたりして、もがきながら、いつかは確実に死んでいく我々。




その意味で、がんは自分の人生を見つめなおす一種の起爆剤となり、茶を出す相手になる。


病にどう向き合うか、付き合っていくか、これも私たちのテーマである。




がん患者学〈1〉長期生存患者たちに学ぶ (中公文庫)/柳原 和子

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