「体温を下げると、免疫力も下がる？」で、平均体温が1℃下がると免疫力は約37％下がり、平均体温が1℃上がると免疫力は約60％活性化するといわれているように、体温は免疫力を大きく左右すると述べました。
しかし、現代人が低体温になりやすい原因は、一様ではありません。
「ストレスは万病の元」とはよく言われますが、実は、低体温の大きな原因の一つです。強いストレスを受け続けると、体温を調整する機能に狂いが生じるからです。
例えば、職場の人間関係や仕事のプレッシャーで精神的なストレスを感じ続けた場合や、毎日エアコンが効きすぎた部屋で過ごしている場合、食事バランスや睡眠時間がバラバラの生活を送り続けている場合などなどは、、「交感神経」と「副交感神経」から構成される自律神経のバランスを崩し、血液の流れが悪くし、低体温を引き起こす原因となります。
血行が悪くなると、手足が冷える「冷え性」になりがちですが、実際、低体温に悩む人の中には「冷え性」に悩む方が多く見られます。
運動不足、栄養不足、睡眠不足や不規則な生活、身体の冷やす食材や飲み物の摂りすぎなども、日常生活の中で、低体温の原因となるものです。
このような日常生活は、筋肉量の低下を招きます。筋肉はカラダの最大の熱産生器官ですから、筋肉が少なくなると、体温も下がり、エネルギー消費の基礎代謝も下がります。エネルギー消費が滞ると内臓脂肪が増えるばかりか、エネルギー消費時に発する熱の上昇が期待できません。
だから、低体温の原因の9割は、筋肉量の低下との考えもあるほどです。
50年前と今では現代人の体温の平均は、0.7度近くも下がっているといいます。その理由のひとつとして、現在のライフスタイルが、明らかな運動不足になっていることが挙げられます。
家事ひとつをとっても、50年前はすべて手作業で掃除、洗濯、料理などを行い、その上で畑仕事をするなど、日常的な運動量が大変多かったのですが、それに比べて、現代の私たちの生活では、乗り物や家電の充実、テレビやパソコン、ゲームなどなどによって、日常生活における運動量が低下し、筋肉をつける機会がありません。
これでは、低体温を招くばかりです。老いてもいかに筋肉を落さず、筋肉をつける生活をするか、みなさん各自の意識的な工夫が必要でしょう。
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