2015年のイギリス映画「マイ・ベスト・フレンド」です。
原題は「Miss You Already」です。

「miss you」で「会いたいね」とか「さびしいね」みたいな意味です。
「already」が後ろにつくとどうなんでしょうかね。
「もうすでに会いたいよ」みたいな感じでしょうか。

この映画は乳がんになった女性とその友達の話なので、原題を見ると「最後死んじゃうんだな・・・」って感じがしますね。
それをタイトルに出したというのは観客に先に結末を知ってもらって観て欲しいということでしょうか。

そういうニュアンスの原題なのに「ミス・ユー・フレンド」という邦題にせず、「マイ・ベスト・フレンド」にしたのはきっと「逃げ」でしょうね。

監督は「トワイライト〜初恋〜」のキャサリン・ハードウィックです。

出演はトニ・コレット、ドリュー・バリモア。

ミリーとジェスは小さい頃からの友達。
何をするのもいつも一緒、でもいつもちょっとだけミリーが先に経験する、って感じの仲良しです。

2人は大人になり結婚をして、ミリーは元バンドマンの旦那との間に2人の子供がいます。
ジェスは不妊症に悩んでいて、現在旦那と子作りを頑張っています。

そんな時、ミリーが病院で「乳がん」だと診断されます。
進行が進んでいて、ミリーは両方の胸を全摘出することに。

抗がん剤により髪が無くなり、胸も全摘出になり落ち込むミリー。
そんな時、ジェスは妊娠します。

という、中々厳しいテーマの映画です。

自分は癌になって苦しむ話とか全く好きじゃないので通常なら「観ない」を選択するんですが、今回は何故か「観る」をチョイス。
やっぱりキツイですよね、このての話は・・・。

小さい頃から仲良かった友達が癌になり、友達を励ましながら友情が更に強いものになっていく、みたいな展開かなと思ったら、この映画、意外な方向に進みます。

ミリーは胸を全摘出したあと自分に自信が無くなり、旦那とのセックスもしなくなります。
旦那も悪い人じゃないんですが、どうミリーを元気づけたらいいのか悩んでるんです。
そんなミリーはバーテンをしてるイケメンと不倫を開始・・・。

酒飲んでイケメンとセックス。
これがミリーにとっての「癒し」になってしまうんです。

それを知ったジェスはミリーを軽蔑します。

「私は癌なのよ」と言ってイケメンとエッチするミリーはリアルなのかもしれませんが、映画的にとても見栄えが悪い。
「癌だから何したっていいわけじゃないわ!」と怒るジェスももっともな意見ですが、やはり映画的に見栄えが悪い。

映画だからって綺麗にまとまるってわけじゃないんですよね。
勝手に自分の中で優しい旦那がミリーをささえつつ、ジェスが最高の友情力を発揮していく、みたいなきれいごとな展開を想像して期待してたからビックリです。

どっちが正しいってことはないんでしょうけど、裏切られた旦那さんはどう考えるんでしょうか。

もし日本の芸能人が乳がんになり、その後不倫をしたら、どういう報道されるんでしょうか。
癌患者だしってことでベッキーみたいに厳しく報道されることはないんでしょうか。
それとも逆に「乳癌を言い訳に不倫するなんて」って叩かれるんでしょうか。

さて、ここからは結構ド定番に「友情」がピックアップされていきます。
最後ミリーは死んでしまうんですけどね。
もうここは何だかんだあっても泣く場面です。
結局こういうの観て泣いちゃいます。
ズルイよね、最後に死んじゃうのはズルイ。

というわけで、自分は泣いちゃうんだけどやっぱり癌になって苦しんでいく物語は苦手です。

あと、この逃げの姿勢が見える邦題も苦手です。

オススメ度 47%