1992年のアメリカ映画「レザボア・ドッグス」です。
監督はクエンティン・タランティーノ。
タランティーノにとってこれが初監督作品となります。
タランティーノは監督のほかに脚本、出演も兼ねています。

出演はハーヴェイ・カイテル、ティム・ロス、スティーヴ・ブシェミなどなどです。

タランティーノ大好きな自分なんですが、実はこの1作目の「レザボア・ドッグス」だけ観たことなかったんです。
これ以外は全部観てるし何度も繰り返し観たりしてます。
これだけ観てなかったんですが、今頃やっとこさ、観ました。

ストーリーを簡単に説明すると、「ホワイト」や「ブラウン」といった色の名前のニックネームで呼び合うスーツ姿の男達6人が宝石店で強盗をするというものです。
冒頭はタランティーノらしく、レストランで食事をしながらひたすらストーリーに関係の無い話をしてるっていうもの。
7分くらいそんな感じでしょうかね。
マドンナの「ライク・ア・ヴァージン」って曲について永遠と語り合ってます。
おっさん達が「あれはヤりまくってる女の歌だ」とか「ディックディックディックってことだ」とか好き勝手語ってます。
タランティーノの映画ではアルアルです。
本筋には全く関係ないんだけど、そういう会話がそのキャラクターを色濃いものにしたり、映画の雰囲気が出来上がったりしてるんです。
完璧に無駄なんですけど、映画全体でいうとそこが面白かったりします。
この「無駄な長話し」についていけるかどうかでタランティーノ映画の好き嫌いが分かれると思います。

さて、無駄な長話しを終えると6人は宝石強盗へ向かうんですが、そのシーンはオールカットです。
この話をやるにあたって宝石強盗のシーンをカットするなんて大胆すぎます。
マドンナの歌の話は永遠とやるくせに、宝石強盗のところは一切無い。

一気に話はとんで、強盗が終わって逃げてる車内になります。
1人は撃たれて死にそう、1人はパニクりながら必死で車を運転してる。
2人しかいないんです、残りの4人がどうなったかは後々分かります。

決めておいたアジトに逃げ込む2人。
撃たれてるのは「オレンジ」、運転してきたのは「ホワイト」です。
どうやらタランティーノ演じる「ブラウン」は死んだとのこと。
オレンジの容体は最悪で、早く病院に連れていかないと死にそうです。
そこに「ピンク」もやってきて、更に「ブロンド」もやってきます。

ピンクが言うには「裏切り者がいる」とのこと。
警察と繋がってるものが混じってたっていうんです。
「そんなはずはない」と言うホワイト。
しかし、ブロンドは自分が乗ってきた車のトランクに警察官を1人閉じ込めて拉致してきてるんです。
「こいつに聞いてみよう」ってことになって、タランティーノ仕込みの拷問が始まるんです。

そんな中、ボスの息子もやってきて「さぁ、どうする」ってことになるんですが、ここで「ブルー」も死んでたことが分かります。
いったい誰が裏切り者なのか、っていうか、宝石泥棒どうなったの?って感じ。

そんなのおかまいなしに過去のシーンが織り込まれていって、最後はタランティーノ映画らしく次々バタバタとみんな死んでいって終わりです。
ピンクだけが宝石持って逃げ出しましたけど、どうなったかは不明です。
まぁたぶん捕まるでしょうね。

タランティーノの処女作ですが、もうこの時点で充分タランティーノらしさが出てる映画です。
これにもっと演出を加えていって、大げさになっていって、無駄話の質が上がっていったんだと思います。

さて、原題でもある「Reservoir Dogs」という意味なんですが。
調べたけど、いまいちよく分かりません。
「Reservoir」は「貯蔵所」とい意味だそうでして、「貯蔵所の犬たち」ってことですかね。
更に調べてみると「貯蔵所」ってのは「酒蔵」ってことかもしれないらしく、「酒場にいる野郎ども」みたいな意味かもって説があるらしいです。
ウィキペディアによると「アジト」って意味ではないかとのこと。
つまり「アジトで裏切り者を探す犬」ってことでしょうか。
犬といえば映画の中で、トイレにいる警察犬ってのがいました。
大麻を持ってるから警察犬が吠えたりしたら終わりだっていう場面でヒヤヒヤしながら用を足すという。
あれが「レザボアドッグス」だったりして、って「ドッグス」、「複数形」だ、じゃ違いますね。

よく分からないんだけど、ニュアンス的にそういうイメージでヨロシクみたいなタイトルでしょう。

散々タランティーノの映画観たあとなので今観るとそこまでの感動は無いんですが、1992年にこれを観たらビックリしたでしょうね。
この映画の2年後に「パルプ・フィクション」でガツンと映画界に自分の立ち位置を作り上げてしまうんですからすごいです。
「トゥルー・ロマンス」は1993年で「レザボア・ドッグス」と「パルプ・フィクション」の間になりますが、こちらも大好きな映画です。
「トゥルー・ロマンス」は脚本だけですけどね。
そして「ジャッキー・ブラウン」「キル・ビル」と続くタランティーノ。
現在までに意外にもタランティーノ映画は少なく全部で9本なんです。
大好きなクリストファー・ノーランも意外と少なくまだ9本です(もうすぐ10本目が日本で公開間近)。
デヴィッド・フィンチャーも全部で10本です。
1本1本のインパクトがあまりにありすぎる監督って意外と本数は少ないもんですね。

タランティーノの映画を全部もう1回観なおしたい気分です。

オススメ度 60%