
2015年のアメリカ映画「ニュースの真相」です。
原題は「Truth」、「真実」です。
ケイト・ブランシェット、ロバート・レッドフォードなどが出演しています。
昨日は「グッドモーニングショー」という日本のワイドショーの裏側みたいな映画について感想を書きましたが、今日はアメリカのニュース番組の裏側の映画です。
こっちは昨日のと違ってガッチガチのガチ、ブッシュ大統領時代の実話の話となっております。
主人公はケイト演じるメアリーという女性。
メアリーはCBSの「60ミニッツ2」という報道番組のプロデューサーです。
番組の顔はロバート・レッドフォード演じるダンという男。
メアリーはある日、とんでもないネタを仕入れます。
それは「ブッシュ大統領の経歴詐称」というネタ。
この映画は2004年が舞台でして、ということはブッシュは「現役の大統領」なわけです。
ジョージ・W・ブッシュ第43代アメリカ大統領、第41代アメリカ大統領ジョージ・H・W・ブッシュの息子です。
よく父親を「パパブッシュ」、息子を「バカブッシュ」って言いますが、それくらい父親との差がある大統領です。
今でこそブッシュ政権はアホだったってことが明らかになってますが、まぁ当時はなんだかんだで人気もあったんです。
何故なら2001年に起きた911のテロ。
これによってアメリカが恐いくらい一致団結して「戦え!」ってムードでした。
そこにこのブッシュのバカっぷりが非常にマッチしちゃったんです。
報復行為を行い、戦争をし、よその国を火の海にし、一般市民を大量に虐殺し、挙句の果てに「大量破壊兵器は無かった」というオチ。
終わってから気付く「あちゃー」ってやつ。
でもこのバカ息子でも8年間もアメリカ大統領やってたんですから凄いですね。
トランプなんか余裕です。
というわけで、色々意見はあると思いますが、自分はブッシュ大嫌いなのでそっちよりで感想を書いていきます。
そもそも、麻薬やりまくりで女遊びしまくりでアル中で取り返しつかない青年期を過ごしたのに、親父が大統領ってだけで兵役を逃げ出し、訓練もしてないのに優秀な兵士だったっていう記録だけが残り、気付いたらアメリカの大統領になってました、なんてあっていいはずがない。
帳尻あわないよ!神様!っていう男です。
話は映画に戻りまして、メアリーはそんなブッシュの裏情報をゲットします。
それはブッシュが若い頃アメリカ軍にいた時のデータ。
訓練に参加してないのに何故か出世していき、評価が上がっていき、ついでにベトナム戦争に行きたくないってワガママが通ったという情報です。
こんなの今となっては「あぁ、ブッシュだからね」って常識なんでしょうけど、当時は「そうなんだろうけど、ソースどこよ?」っていう感じです。
なのでメアリーはソース、つまり情報元からしっかりとネタを貰い、色々を裏をとり、「こりゃ間違いない」ってことで自分の番組で暴露しちゃうんです。
現役大統領が次の選挙で落ちてしまいかねないネタにアメリカ中ビックリ、というか「ほらきた!やっぱりだ!」っていう展開。
しかし、ここでブッシュ陣営の妨害が始まります。
「このネタの書かれたプリントの文字は1970年くらいには使われてなかったよ、最近のウィンドウズのフォントだよ」って言ってくるんです。
メアリー達は必至でそんなことないと当時のフォントの中から同じフォントを探します。
そしてついに見つけるんです、1970年どころか60年代にも充分使われてたフォントだったんです。
「これで文句ないだろ」って思うんですが、これも罠。
メアリー達がフォント探しをしてる間にブッシュ陣営は裏工作開始。
ネタ元達をおそらく脅迫したんでしょう。
最初聞いたこととは違うことを口にし「もう何も語りません」と言ってくるんです。
「やられた」と思った時は後の祭り。
次はブッシュお得意の「的外れな報復」が始まります。
メアリー達を嘘つき呼ばわりし、法的に厳しく罰し、テレビ局に死ぬほどの圧力をかけてきます。
メアリー達は仕事をクビになる。
映画は終わり・・・。
メアリーはこれ以降現在まで報道の仕事をさせてもらえないでいるそうです。
後味わるーい映画です。
要するにこの話、「フォントがどう」とかどうでもいいんです。
ブッシュの経歴がおかしいってことがメインなのに、いつの間にか「フォントが違う」ってことにすり替えられていくんです。
ブッシュってほんとこんな奴だよっていう映画です。
と、まぁ、この映画もかなりブッシュを否定しまくる映画で、感想書いてる自分もブッシュ嫌いというのもあり偏った意見ばかりになってます。
これを冷静に中立で観た場合、「何これ、テレビ局のケアレスミスじゃん」ってことになります。
そうなんです、この映画、あまり感情無く観た場合、「仕事でケアレスミスした人達が仕事クビになった」っていうだけの映画なんです。
どうとらえるかは映画観る人次第です。
トランプ政権も15年後、どういう評価になってるのか、楽しみですね。
オススメ度 45%