2015年の日本映画「さよなら歌舞伎町」です。
出演は染谷将太、前田敦子、南果歩、松重豊、イ・ウンウなどなどです。

主人公は染谷将太演じる徹。
徹は歌舞伎町にあるラブホテルの雇われ店長として働いています。
この話はそのラブホテルで働く従業員やラブホテルにやってくる客の話。
いわゆる「群像劇」です。

徹には沙耶という彼女がいまして、前田敦子が演じています。
しかしここで注意、前田敦子は染谷将太の次に名前が出てくるヒロイン的扱いになってますが、「ほぼ出てきません」。
最初に少し出てそれっきり、途中でちょこっと、んで最後で何故か泣きながら歌を歌って終わりです。
出番が少ないのもありますが、存在感がほぼ無いので毎回忘れさってしまう役でした。

この映画の準主役的位置はイ・ウンウの方だと思います。
監督も前田敦子への興味失って、途中から「イ・ウンウを撮りたい」って思って作ったんじゃないかって感じがしました。
今回、前田敦子がついに女優として「化ける」のかと期待してたんですが・・・、それはまだまだ先のことみたいです。

さて、そのイ・ウンウなんですが、演じるのは韓国から出稼ぎにやってきたヘナという女性です。
ヘナには恋人がいるんですが、恋人には仕事のことを隠しています。
ヘナの仕事はデリヘル嬢なんです。

ヘナがよく利用するのが徹の働くホテルです。
ヘナは明るくて優しい、女神のようなデルヘル嬢なんです。
自分は風俗に一切行ったことがないので勝手に風俗とは「恐い女」がやってくると思ってましたが、ヘナみたいな女神もいるんでしょうかね。
客は色んなことがあって落ち込んだままヘナを指名したり、時にはヘナに疑似恋愛をして癒されたりする男達です。
そんな男達にヘナは元気を分けてあげるのです。
そんなヘナも今夜で仕事おさめ、貯めたお金で韓国にお店を出す予定なんです。
この映画は「とある一晩」の話なので、映画の終わりにヘナは日本から旅立つんですね。
イ・ウンウはそんな元気で明るくて、そして悩みもある複雑な韓国人女性を最高に演じてました。

他にも不倫の客だったり、デリヘルに女の子を送り込もうとするスカウトの男だったり、色んな人がラブホテルにやってきます。
「ちょっと一晩で色々ありすぎでしょ」っていうツッコミはもちろんあるんでしょうけど、まぁ映画ですからね。
更に「偶然にも居合わせる」ってのが多すぎでしょってのもありますが、まぁ映画ですからね。
それよりも「イ・ウンウみたいな女神が歌舞伎町のデルヘルにいた」ってことの方が大きいはずですよ。
いないんだよね?イ・ウンウみたいな人。。

さて、イ・ウンウも含めて、知らない人がたくさん出てたので毎回ネットで検索しながら観ました。
それくらい「え?凄い魅力的、誰この人」ってのが多い映画なんです。
ラブホに不倫にしにやってきたら時効間近の逃亡犯と出くわしたという女刑事を演じた河井青葉もとても良かったです。
樋井明日香、我妻三輪子といった女優さんもとても良かったです。

男性陣は結構有名な人が出てるんで調べる必要は無かったんですが、デリヘルの店をやってる店長を演じた田口トモロヲがとても良かったです。
お店の名前が実は昔好きだったバンドからとっていて、イ・ウンウ演じるヘナの源氏名もそのバンドのボーカルからとったそうです。
出番は少ないんだけど、どうやら昔は悪かったみたいで、今はデリヘルやりながら女性達に優しく楽しく働いてもらおうとしてるみたいです。
本当のデリヘルの店長はきっとチンピラなんでしょ?違うの?
こんな渋い良いおっさんはいなんでしょ?

という感じで、風俗も行ったことなけりゃ、歌舞伎町なんてテレビの画面でしか見たことない自分にはまるで「SF」のような映画でした。
登場人物それぞれに味があって、人生があって、それを「たった一晩の出来事」で見せていくというのがとても面白い映画でした。
最後に前田敦子が泣きながら歌を歌いださなければもっと高い評価の映画だったのかもしれません。

何回もいうけど。

ヘナみたいな風俗嬢いないよね?ね?

オススメ度 61%