2015年のアメリカ映画「サウスポー」です。
ジェイク・ギレンホール、フォレスト・ウィテカー、レイチェル・マクアダムスなどが出演しています。
ちなみに、レイチェルは前半部分のみ、フォレストは後半部分のみの出演です。

さて、ジェイク・ギレンホール主演のボクシング映画なんですが、原題も邦題と同じく「Southpaw」なんですね。
「左利き」って意味でして、ボクシングや野球などでも使われる言葉ですね。
映画を観終わった今、このタイトルが微妙でして。
確かに最後の最後で「主人公がサウスポーにスイッチして勝利する」んですが、もっと他にタイトル無かったのかなって感じです。

主人公はボクシングのライトヘビー級世界チャンピオンのビリーです。
WBA、WBC、WBOという3大団体を統一した歴史に残るボクサーです。
現在40戦くらいして無敗、という無敵を誇っています。

奥さんのモーリーンはビリーと同じく孤児院育ち。
お互い貧乏からここまでのし上がったわけです。
んで2人の間にはレイラという娘がいます。
家は大豪邸、お手伝いさんもいます。
まぁ3大タイトルを統一したライトヘビーの世界チャンピオンですから、これくらいの生活当たり前でしょうね。
1試合したら5億から10億、年に2試合すれば10~20億くらいの年収があるんじゃないでしょうか。

そんな無敵のビリー、というところから物語は始まるんですが。
妻のモーリーンはビリーに引退してほしいと思っています。
もう充分稼いだし、あとは家族のために長生きしてほしいんです。

そんなある日、チャリティに参加したビリーとモーリーンに1人の男がつっかかってきます。
ミゲルというその男は、現在イケイケのボクサー。
ビリーを挑発して次の挑戦者を自分にしようとわざとつっかかってきたんです。
これもボクシング界ではあるあるですね。
大人しく待っててもチャンスは回ってこない、何かのキッカケとストーリー性が必要なんです。
で、ビリーはまんまとこの作戦にハマってしまいミゲルと大乱闘。
しかし、この時ミゲルの取り巻きが持ってた銃が鳴り響きます。
その弾があたったのはモーリーン。
モーリーンはそのままかえらぬ人となってしまうのでした。

妻を失ったビリーは次の試合、無様な試合をして、更にレフリーに頭突きをしてしまいます。
そのままチャンピオンもライセンスも剥奪。
その後、ビリーを倒した男をミゲルが倒し、ミゲルが世界チャンピオンになってしまうのでした・・・。

これでビリーの人生は終わりなのか・・・。
誰もがそう思う中、ビリーはティックという新しいトレーナーと出会い、再起を誓うのでした・・・。

という、ボクシング映画のド定番中のド定番のストーリーです。
「ロッキー」でこするだけこすった展開ですね。
でもアメリカ人はこれが好きなんです。
どん底から這いあがる、というのはアメリカ人大好物。
日本だと「親分がやられた、仇討だ」みたいなヤクザ映画だったり、仕えてた殿様を殺された侍が刀を持ち乗り込んでいく時代劇、みたいなのが好きなようにアメリカは「どん底から這いあがる」が大好物なんです。
ちなみに韓国も日本みたいな復讐劇が大好物ですが韓国はそこに「情」が深く絡んだものが好きですよね。

というわけで、アメリカ人以外が観るとこの映画は「ロッキーの焼き直し」にしか見えないんですが、アメリカ人は「こうじゃないとボクシング映画じゃない」って感じなんだと思います。
自分的にはビリーの妻を殺したミゲルがおとがめなしってのが気になります。
おそらく韓国人もそこ気になるでしょう。
もしこの映画が日本か韓国で作られたらきっと最後ミゲルはどん底に落ち警察に捕まり地獄のような日々を送る・・・というシーンも加えられるんでしょうね。

ボクシングと野球は映画になりやすいけど、総合格闘技とサッカーは映画にしづらい。

オススメ度 47%