2015年のアメリカ映画「ロック・ザ・カスバ!」です。
「Rock the Kasbah」とはザ・クラッシュの曲のタイトルです。
出演はビル・マーレイ、ブルース・ウィリス、ケイト・ハドソン、ゾーイ・デシャネルなどなどです。

何の映画かよく分からず観始めたのですが、観終わったあとも何の映画だったのかよく分かりません。

ビル・マーレイ演じるリッチーというおっさんが主人公なんですが、おっさんの仕事は「新人歌手の発掘」です。
「マドンナは俺が発掘した」とか適当なこと言ってます。
「ダニエル・スティールと2回ヤった」とか「あいつは今かつらだ、それも安物だ」とか適当なことばかり。

そのおっさんのプロデュースでシンガーやってるロニーにとある仕事が舞い込みます。
それは「アフガンで働く軍人たちへの慰問」です。
アフガンまで行ってロニーに歌を歌ってほしいという仕事なわけです。
大変そうだけど、アフガン行ってみるかってことで、リッチーとロニーはアフガニスタンへ。

なるほどなるほど、戦地で危険な思いをしながらも軍人のもとで歌を歌い、世界的に話題になり世界中がロニーの歌を聴くようになるという話なのかなと思いました。
しかし、違います。
ゾーイ・デシャネル演じるロニーはあまりに危険なアフガンの地が恐くなって即逃げ出すんです。
リッチーのパスポートと全財産を持って・・・。

というわけで、ここでロニーが消えてしまいます。
これ以降ロニーがどうなったのかさっぱり分かりません。

ブルース・ウィリス演じるブライアンが出てきて色々ややこしいことに巻き込まれます。
なるほどブルース・ウィリスとビル・マーレイのコンビによるアクションなのかな。
いや、違いました。

いきなりケイト・ハドソン演じるマーシーに出会い「ビビビ」っとくるリッチー。
はい、きた、なるほど、ケイト・ハドソンが実は凄い歌うまくて、凄いシンガーになっていく・・・・という話なんですね。
違いました。

ケイト・ハドソン演じるマーシーは歌がヘタクソらしく、歌うシーンすらありません。
ブルース・ウィリスとケイト・ハドソンの無駄遣いっ!!

話があっちこっちに飛ぶ中、物語も中盤を過ぎたあたりでやっとこさ「本物のディーバ」登場。
それはアフガニスタンの女性サリーマ。
アフガニスタンでは女性が歌うことは禁じられてるそうでして、ましてや顔を隠さずに歌うなんてもってのほかだそうです。
なのでサリーマはこっそり岩陰に隠れて歌ってるんです。
それを発見したリッチーは「こいつだ!」ってことで、早速売り出すことに。

アフガンで人気の「アフガン・スター」という新人発掘番組にサリーマを出場させるんです。
「アフガン・スター」は現地の人がみんな観てる大人気番組です。
しかし、この番組に出て歌を歌った女性は1人もいません。
サリーマは初めての女性出演者となるんです。

で、サリーマは美声を披露するんですが、やはり大問題になります。

ラストは、よく分からないまま「やっぱり良いね」ってことでサリーマはみんなから拍手を貰いました、っていう終わり方です。
物語があっちこっちに揺れながらやっとこさ辿り着いたメインの展開に時間が足りなさすぎたような気がしました。

ゾーイ・デシャネル、どこいったんだ。
ブルース・ウィリス、この映画に必要?
ケイト・ハドソン、本当に無駄遣い。

さて、映画のラストで「セタラ・フサインザダに捧ぐ」って文字が出ました。
調べてみたところ、この映画に出てくるサリーマのモデルになった人みたいです。
「アフガン・スター」という番組に出て歌を歌い、更に踊ったために国を追われることになったとか。

実話ならそこにもっと焦点をあててほしかった。
途中からいきなりサリーマが出てきてグダグダなコメディ展開にするほど軽いテーマではなかったように感じましたが。

もうちょっと考えて作ってほしかった、プロトタイプみたいな映画でした。

オススメ度 36%