
2015年のアメリカ映画「トゥルー・ストーリー」です。
原題も同じく「True Story」でして、「本当の話」って感じです。
出演はジョナ・ヒル、ジェームズ・フランコです。
製作総指揮をブラッド・ピットがやってますよ。
ジョナ・ヒル演じるマイケルは元ニューヨークタイムズの記者です。
真実とは異なることを書いてタイムズをクビになったばかりです。
そんなある日、マイケルはとある殺人で捕まった男が逃亡中に自分の名前をかたってたことを知ります。
クリスチャン・ロンゴというその男は妻と子供3人を殺して逃亡してたところ逮捕されました。
その時に「俺はタイムズの記者マイケルだ」って名乗ってたのです。
何故自分の名前を?と興味がわいたマイケルは拘置所にいるロンゴに会いに行きます。
という始まりでして、1時間40分ほどの映画なんですがとても重厚に2時間半くらいの映画をみせられた気分になる1本です。
さぁ、この話の問題はですね。
まず何でロンゴはマイケルだと名乗っていたのか。
そして、ロンゴは何故妻と3人の子供を殺したかってことです。
マイケルだと名乗ってた理由はすぐ分かるんですが、何故家族4人の命を奪ったのかという謎が残りマイケルはその後もロンゴと会い真実を探っていくのです。
次に問題になってくるのが、ロンゴが「俺はやってない」と言ってること。
警察はロンゴがやったとして拘留してるわけですが、ロンゴは否定。
マイケルはロンゴが無罪なのか有罪なのかを調べながら記事を書いていくわけです。
マイケル的には「無罪を主張するロンゴははたして?」という流れで書いていくのですが。
ここでロンゴがマイケルを裏切って「妻と娘は殺した、けどあと2人の子は殺してない」と言い出すのです。
「無罪を主張するロンゴ」として書き進めてたマイケルは裏切られ、今まで書いた記事は役にたたないことに。
では次なる問題は、ロンゴは2人殺して2人殺してないと言っている理由となります。
何故2人の殺人は認めて2人の殺人は認めないのか。
ロンゴを信用出来なくなったマイケルはただただ裁判の様子を傍観するだけ。
さぁ、「トゥルー・ストーリー」は何だ?っていう映画なわけです。
ここまででも充分ネタバレしちゃってるんですが、ここから先はもう1歩踏み込んだネタバレです。
観てない人は・・・チェックしない方がいいでしょう。
さて、真実、トゥルーストーリーなんですが。
ロンゴは裁判でこう主張します。
「自分が家に帰ると妻が2人の子を殺したあとで3人目の子も殺そうとしてた」
「自分は頭に血がのぼり、その場で妻を殺害した」
「妻が最後に殺そうとしてた子は死んだと思っていたが死んでなかった」
「最後の子はバッグにつめて橋から捨てた」
つまり、2人の子を殺した妻をその場で殺し、生き残った1人の子もそのまま殺したというのです。
だから、2人殺して2人殺してないと言うのです。
こうなってくると「死刑」にならないんですね。
へたしたら数年で出てくるかも。
ロンゴはこれが狙いなのか、いや、本当にこれが真実なのか、もしくはまだ何か隠してるのか。
結果、陪審員はロンゴの主張を無視、全てはロンゴの嘘だと判断してロンゴに「死刑」を言い渡します。
ラストで死刑囚になったロンゴに会いにいくマイケル。
ロンゴは「俺はやってない」と言ってます、がもうロンゴのことが信用できないマイケル。
マイケルはその後、この事件のことを本にまとめ出版。
という終わりです。
ここでビックリしたのが「この話は実話である」と最後に出てくること。
アメリカの人は有名な事件で知ってたかもですが、自分は全く知らなかったので最後で「これ実話」ってことにビックリしました。
実話ってことは、マイケルとロンゴのその後もあるわけでして。
マイケルはその後タイムズに雇ってもらうことはなかったそうですが今も家族と幸せに暮らしてるそうです。
ロンゴは死刑囚となって10年以上たった現在でも死刑は執行されておらず死刑囚として今も刑務所にいます。
皮肉なことにロンゴの書いた文章はタイムズに掲載されてます。
ロンゴはあの裁判のあと1年後に「4人全員自分が殺した」と認めています。
そして、この2人は第1日曜日に今も面会を続けている。
だそうです。
マイケルはロンゴにまだ聞きたいことがあるのでしょうか。
映画のラストでマイケルはロンゴに「お前の話なんかもう誰も聞かない」と言いますが、ロンゴはマイケルに「ここに1人いるじゃないか」って言うのです。
この言葉どおり、マイケルはロンゴの最後の話し相手となってるってことでしょうか。
いったい今もまだ何を話すことがあるんでしょうか。
まさかの映画自体が「トゥルー・ストーリー」だったってことで驚きでした。
ブラッド・ピットが製作総指揮というのがさすがだなぁって感じがしました。
主演は「マネー・ボール」でブラピと共演したジョナ・ヒルですしね。
殺人鬼の役をジェームズ・フランコがやってるのもかなりぴったしでした。
わずか1時間40分で衝撃を受ける映画です。
「実話」「サスペンス」「殺人鬼」この3つに興味があるならこの映画はとても興味深い1本となるでしょう。
オススメ度70%