
2016年の日本映画「僕だけがいない街」です。
藤原竜也、有村架純、鈴木梨央、石田ゆり子などが出演しています。
原作は同名の漫画だそうです。
漫画版は全8巻だそうでして、2016年の3月に完結しています。
この映画も同じく2016年の3月公開です。
ということは「暗殺教室」みたいに漫画の原作者が映画班にも完結の話をしっかりと話した上で同時に終わるというやり方なのかと思ったら違いました。
暗殺教室のやり方はかなり大変らしいですからね。
というわけで、この映画は漫画が完結した直後に公開されたのですが、映画班は最後がよく分からないまま想像でラストを作ったことになります。
なので、原作の漫画とはかなり違うそうです。
さて、主人公は原作によると29歳だそうです。
名前は藤沼悟、漫画家志望のフリーターです。
この藤沼悟には特殊能力がありまして、それは「リバイバル」という時を戻す力。
といっても自由に時間を操れず、何か起きたあとに勝手に時間が巻き戻り、その何かを突き止めて解決しないと時間が先に進まないというもの。
この悟のバイト先の後輩愛梨という女の子が悟に興味をもちます。
原作によると愛梨は17歳の高校生だそうです。
色々あって、悟は自分の家で母親を殺害され犯人として追われることに。
愛梨は悟が犯人じゃないと信じて色々協力してくれます。
どうやら母親を殺害された原因は自分が小学生の時に起きたある事件がもとになってるかもと考え始める悟。
悟はタイムスリップして小学生時代の自分に戻ります。
でそこで雛月という同級生の女の子を救うことに。
この雛月は後に誘拐され殺害される被害者になります。
この子を救うことで未来の母親も救われると考えるのです。
という感じで、過去と現在を行ったりきたりしながら悟の小学校の時におきた誘拐事件の犯人を追うというタイムスリップものです。
映画を作ってる時はまだ漫画が連載中だったこともあってか、途中から「んー、この先まだ漫画になってないから知らない」って作り手の投げやり感が見えてくるところが面白いです。
「なにも分かってないから投げ捨てたな」って感じがします。
サスペンスなのでね、オチが「惰性のまま」ってのが残念すぎました。
でも、自分はタイムスリップもの大好きなのでね。
グッダグダでも好きですよ、タイムスリップさえしてくれたら。
失敗したら元に戻ってまたやり直しっていう設定は「オール・ユー・ニード・イズ・キル」と同じですね。
「オール・ユー・ニード・イズ・キル」の方が数段面白かったんですが。
要所要所で伏線張りまくっていきます。
でもさっきも言ったとおり原作が完結してないもんで伏線のオチをこの映画の作り手も知らないわけです。
原作者が張り巡らせた伏線を読者が勝手に想像して回収するというような作業がとても子供だましっぽくて面白かったです。
「興味もったら漫画読んでね、漫画読んだら分かるからね」って監督が言ってきてるようでした。
この映画、ちゃんと漫画を読まないと何も解決しないんですね。
自分は漫画版読んだことないんですが、とても読みたくなりました。
この映画も面白かったんですけどね、本当の終わりを知りたい。
この映画は有村架純、鈴木梨央、石田ゆり子という3人の女優が光ってる作品だと思いました。
まず有村架純の「謎の美少女感」。
謎すぎる、この人の目は謎すぎる、全部見透かされてるような目で見てくるのでゾクッとします。
結果有村架純の女優力に脚本が追いついてなく「で、この子何だったの?」って感じで終わりますが。
次に鈴木梨央です。
「おとくちゃん」のCMで天才子役っぷりがお茶の間に広まったんですが、この映画でも準主役といった感じで堂々たる演技でした。
とにかく凄い子ですね、このまま演技力高めていったらもう20歳くらいで神の領域でしょう。
そしてそして、神様、石田ゆり子さま、降臨です。
石田ゆり子様が出てるだけでオススメ度は格段にアップします。
素晴らしい。
今作では藤原竜也の母親という設定。
藤原竜也34歳なんですけどね。
ゆり子様は47歳、13歳で産んだということになる金八先生的な強引な設定。
しかもゆり子様が30代に見える若さなのでもはや「姉と弟」に見えてくる。
これはいくらなんでも無理ありすぎると思ったら、過去編に突入してその謎が分かりました。
過去編では藤原竜也は子役の子と入れ替わるわけですが、石田ゆり子様は石田ゆり子様のままなのです。
小学生の母親ということになるんですが、ばっちり違和感ないんです。
そうか、過去編で本領発揮しちゃうのか、さすがです。
というわけで、タイムスリップものが大好きで石田ゆり子様を神と崇めるのであれば絶対観るべき1本ですね。
自分の感想としては「漫画を読みたくなる」という漫画の宣伝VTRみたいな感じでした。
作り手が「だってさ、まだ俺も終わり知らないんだもん」って開き直ってるところが面白い映画です。
オススメ度「50%」