2014年のカナダ映画「白い沈黙」です。
原題は「Captives」で意味は「捕虜」だそうです。
邦題はあまりにもカッコツケすぎです。
映画観終わったあとも「白い沈黙」ってピンとこない。
「どうだ、渋いだろー」って邦題つけた奴が後輩たちにドヤ顔してる姿が浮かびます。

ライアン・レイノルズ、スコット・スピードマン、ロザリオ・ドーソンなどが出演しています。

かなーり重たい雰囲気から始まります。
音楽も重くて、これは重たい映画なんだろうっていうのを感じさせてきます。
最初の30分くらいは何の話なのかサッパリ分かりません。
何やら悩む女性ティナ。
ティナの相談にのっている女刑事ニコール。
あてもなく車に乗り寂しい目をしているティナの夫マシュー。

何があったのか。。。

少しずつ過去の映像がカットバックで入ってきて理由が分かっていくんですが、カットバックを自然に入れてくるためこれが過去なのか現在なのかよく分かりません。
慣れるまでさっぱりです、かなり嫌がらせに近いです。

30分ほど観てると分かってきます。

8年前、マシューとティナにはキャスという9歳の娘がいたんです。
マシューはキャスのスケートの練習終わりに迎えに行き、車に乗せパイ屋さんへ。
そこでマシューはキャスを車に残したまま店内へ。
マシューがパイを買い車に戻ってくると、後部座席にいるはずのキャスがいない。
あたりを必死に探すも見つからない。

そして8年がたっていた・・・、ということだったんです。

マシューは今も車を走らせどこかにキャスがいないか捜してます。
ティナはキャスがいなくなったのはマシューのせいだと思いマシューを責め続けています。
2人は一緒にいれなくなっています。
担当の刑事ニコールは事件を追っていますが手がかりがない・・・。

オープニングはこの状態だったってわけですね。

さぁ、ここから神隠し事件の真相が明らかになっていくんですが。
犯人は最初から分かってます、というより、映画の始まりが犯人の部屋からで、最初に出てきた少女こそがキャスなんです。
そうです、キャスは生きてるんです。
今も犯人の家に閉じ込められてるんです。
問題はここからです。
犯人はもちろん幼女趣味です。
9歳だったキャスも8年がたち17歳くらいになってます。
もう犯人の趣味ではなくなってしまってるんです。
なのでもう乱暴なことをされたりはしなくなってます。
が、キャスは犯人に命令され「新しい女の子」を誘い出すのに利用されてるんです。
犯人のおっさんが誘うより10代の女の子のキャスが誘った方が怪しまれないわけです。

闇が深いんです、この映画。
単なる1つの誘拐事件じゃなくて、その先にネット上に広がる怪物たちがいるんです。

その間もマシューは警察から犯人じゃないかと疑われ、妻のティナからは「お前のせいだ!」とか罵られ。
責任を感じるが自分が犯人じゃないことは自分がよく分かっている。
マシューにとって地獄の8年だったでしょうね。
ちょっとティナは頭がおかしいです、あまりにヒドすぎる女です。

最後は意外とあっけなく犯人までたどりつき全てが解決します。
が、もちろん、こんな事件は氷山の一角だ・・・って感じです。

この事件はあまりに闇が深すぎて「ハッピーエンド」ではないんですよね。
映画の中でニコール刑事が言ってましたが、「ただ、そこで終わっただけ」なんですね。

不親切なカットバックで混乱しがちですが、とても見ごたえのあるサスペンスでした。

オススメ度「51%」