
2015年の日本映画「グラスホッパー」です。
出演は生田斗真、浅野忠信、山田涼介、麻生久美子、菜々緒、吉岡秀隆などなどです。
原作は伊坂幸太郎の小説「グラスホッパー」です。
自分は原作を読んだことがあるんですが、とても好きな作品です。
伊坂幸太郎は結構好きで他にも色々読んでます。
ということで「原作読んでるから実写版については厳しいよ」っていう目線になるのか「原作の世界観が映像として蘇って、また原作読みたくなったよ」となるのか、どっちでしょうって感じで観始めました。
答えを言ってしまうと前者なんですが・・・。
物語は鈴木という男の妻がひき逃げにあい、鈴木はその犯人がとあるブラック企業にいるということでそのブラック企業に入社する・・・という復讐劇なんですが。
映画版ではひき逃げではなく、クスリやってワケ分からなくなった男が車を暴走させ人込みに特攻してたくさんの人が死んだ、その中に鈴木の妻もいた・・・という設定になってます。
犯人の男はその場で捕まってますので、鈴木の復讐の相手はもういないわけです、ですが、その犯人にその事件を「やれ」と命じた男に復讐をしようということになります。
何でわざわざそんな展開に変えたのかさっぱり分かりませんし、その日はハロウィンの日だったっていうのも邪魔でした。
序盤から意味不明なことをしてきたので「この監督、ダメな人だな」ってのを察知して調べてみました。
監督の名前は瀧本智行、この映画の前の作品は「脳男」でして、このブログでのオススメ度は39%。
更にその前の作品が「はやぶさ 遥かなる帰還」でして、このブログでのオススメ度は35%。
なるほど、これらの映画の人か・・・。
ちなみに前作「脳男」の主演も生田斗真くんでしたね。
「脳男」は映画観たあとに「あれ、これって本当は面白い話なんじゃない?」って思って後から原作を読みました。
やっぱり原作は映画より面白かったです。
というか、「脳男」は原作と映画とでは全く中身が違いますからね。
監督不信任案を出したい、そんな感じですが、調べてみるとこの監督。
この映画を作るにあたって、「出来れば逃げたい」とコメントしてます。
「自分に出来るのかな・・・」って感じだったそうでして、完璧に「仕事を依頼されたからやるか・・・」っていう感じだったみたいです。
そんなやる気で映画1本作られてもね・・・。
そんな監督まがいの人物が作ったんで、「グラスホッパー」の作品の緊張感が全くなくなってしまっています。
なんか「ポップなサスペンス」になってます。
あと、「脳男」の時もそうでしたが主演の生田斗真くんの演技力の無さが痛々しいです。
オドオドした演技をやらせてここまでへっぴり腰になる人そういませんね。
「ボクは今オドオドした演技をしてますよ!」っていう演技してます。
浅野忠信や吉岡秀隆とのシーンなどではそのヒドさが際立っています。
吉岡秀隆の演じる槿はとても良かったです。
あぁ、これは原作に忠実に演じてる・・・って思いました、さすがですね。
地味に地味な演技を派手に見せてました。
というわけで、ストーリーはそこから更にヘンテコな方向にもっていって、勝手な改造ほどこされたヤン車みたいな映画でした。
それでも観れないことはないんですけどね。
原作を知らなかったら楽しめるかもしれません。
ところどころ良い感じなところもあったんで、「なんか惜しいんだよなぁ」っていう1本でした。
オススメ度「36%」