
2015年のアメリカ映画「チャイルド44 森に消えた子供たち」です。
原題は「Child 44」でして、邦題は後ろに余計なのがひっついてますね。
トム・ハーディ、ゲイリー・オールドマン、ノオミ・ラパスが出演しています。
1953年のソ連が舞台です。
MGBという組織で働くレオが子供が殺害されるという事件に出くわすのですが。
まず、MGBというのがよく分からなかったんですが、どうやら警察みたいなもんらしいです。
なのでレオはこの子供が殺害された事件を捜査する・・・といきたいところですが。
当時のソ連は社会主義でして、スターリンがどうのこうのっていう時代です。
スターリンは「我が国は楽園である、楽園に殺人はおきない」と断言してたそうです。
これまた調べてみたんですが、よく分かりませんでした。
映画の中だけなのか、本当にそうだったのか。
さて、殺人事件の起きないはずの楽園で殺人事件が、しかも子供が惨殺されるという事件がおきたわけです。
普通の映画だったらここから主人公レオがガンガン捜査して犯人を見つけていくところですが・・・、レオは捜査出来ないんです。
なんせ「楽園では殺人事件はおきない!」とスターリンが断言してるので、「殺人事件が起きました!」と報告するだけでそれはスターリンへの反逆になるのです。
って言われても全くピンとこないんですが、そうなんだそうです。
社会主義とか民主主義とか関係なく殺人はおきると思いますが。
というわけで、レオは子供が明らかに何者かによって殺されたと分かっていながら「事故死」で処理します。
しかし、しかし・・・。
各地で次々と惨殺された子供の遺体が発見されるのです。
こんな状態でも堂々と捜査出来ないレオ、っていうか、妻であるライーサにスパイ容疑がかけられ何だかんだで田舎へ左遷されてしまうんです。
左遷先でも子供の死は続き、調べてみたら何と44人もの子供が殺されているのです・・・。
んで、タイトルの「チャイルド44」なんですね。
ちなみに「森に消えた子供たち」って書いてありますが、神隠しみたいなオチじゃありませんし、あまり森関係ないです。
中々重厚な世界観の映像の中、中々の眠気もやってくるんですが、中々面白い、という難しい映画でした。
「ダークナイト ライジング」でベインを演じ、「マッドマックス 怒りのデス・ロード」でマックスを演じたトム・ハーディ。
ゴリマッチョの役のイメージが強いですが、今回は「まぁまぁマッチョ」な役どころです。
んで、役者が憧れる役者ことゲイリー・オールドマンの存在感もさすが。
なによりノオミ・ラパスの怪しさが最高でした。
ノオミ・ラパスって顔が怪しすぎて自分はてっきりノオミ・ラパスが犯人なのかなと思ってました。
レオと一緒に引っ越してきた場所で次の殺人がおきましたしね。
何よりあの表情は絶対怪しいですから。
結局最後は良い嫁になって終わりでした。
最後までいまいち分からなかったのは最初に説明した「楽園」のくだりです。
何で楽園には殺人がおきないと断言して、殺人事件を存在しないものとしてるのか、何故そんなギャグみたいなことがまかりとおってたのか。
よく分からない理屈ですよね。
こんなことされたら殺人し放題ですよ。
何人殺しても事故死扱いになるんですから。
結果、楽園では殺人しか起きないってことになりそうです。
この時代のソ連っておかしいよね、って思わせてくるけど、これはアメリカ映画ですよってことを忘れずにって感じでした。
オススメ度は、タイトルのまま。
オススメ度「44%」