2014年の日本映画「日々ロック」です。
監督は入江悠。
出演は野村周平、二階堂ふみ、前野朋哉などなどです。

入江監督といえば、名作「サイタマノラッパー」シリーズですね。
もうこれだけで日本を一世風靡したといっても過言じゃない、日本映画の名作です。
入江監督は音楽系の映画を撮ることが多くこの映画もそうです。
原作はヤンジャンに連載されていた同名の漫画です。

主人公は日々沼という青年。
日々沼は草壁と依田の3人でロックバンドを組んでいます。
日々沼がギター&ボーカルで、草壁がベース、依田がドラムです。
バンドの名前は「ザ・ロックンロールブラザーズ」。

さて、このバンド、超人気ありません。
ライブハウスに住み込んでるんですが、お客さんは数名。
それもほぼ身内のみ。

しかしある日、ザ・ロックンロールブラザーズのライブに宇田川咲という女の子がやってきます。
泥酔してた宇田川でしたが、ザ・ロックンロールブラザーズの音楽に感銘を受けます。

実はこの宇田川・・・、現在最も人気のあるアイドルだったんです。
宇田川は元々ガールズバンドを組んでいたんですが、解散、何故か今はデジタルポップスのアイドルです。
簡単に説明すると「きゃりーぱみゅぱみゅ」みたいな感じです。

この宇田川が音楽プロデューサーにザ・ロックンロールブラザーズを紹介しますが、失敗。
ザ・ロックンロールブラザーズはあまりのショックに活動休止します。

その間も宇田川は大人気アイドルとして活動していますが、自分のせいでザ・ロックンロールブラザーズが音楽活動を辞めたと責任を感じています。
そして、宇田川は倒れます、なんと末期のガンだったのです・・・。

それを知ったザ・ロックンロールブラザーズの3人は久々に集まり、宇田川の入院する病院へ行き、ゲリラライブを開始。
その曲は日々沼が宇田川のために書いた曲だったのでした・・・。

というストーリーでして、青春物なんですが、そこは入江監督、クセが強いです。
主人公日々沼も一歩間違ったらとんでもないことになるんですが、そこは野村周平が見事に演じてました。
前野朋哉も最高に面白いですね。
前野朋哉は最近エーユーの三太郎シリーズに「一寸法師」として出てますね。

ヒロインは入江監督の「劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ」に出演した二階堂ふみです。
あの頃は2011年だったので二階堂ふみちゃんも無名でした。
このブログの当時の記事を読み返してみたところ、自分は「この圧倒的存在感のある女優さん何なんだ」とか書いてました。
「入江監督と二階堂さんでもう1本映画観たい!」とも書いてます。
この後にあの「ヒミズ」で鮮烈に日本中が「えらい女優でてきた」って騒ぐことになるんですね。
今回も二階堂ふみちゃんの演技は良かったです。
何だろうか、今一番目が離せない女優さんの1人ですね。

中々悪意があって笑えるのは、ビジュアル系バンドのいじり方です。
ファンは全員女子、全員目がイっちゃってて、バンドの演奏はヘタクソ。
ヘンテコな動きばっかりしてるだけなのに女子はウットリ・・・という悪意のあるシーンでした。
実際、嘘じゃないですから誰も文句言わないでしょうね。
そもそも自分達を「ビジュアル系」って言ってるわけですからね。
「音は素人以下、とにかく見た目が売りよ」ってことですからね。

「ファンは食って当たり前でしょ」ってビジュアル系の奴が言ってました。
入江監督はビジュアル系の奴に何かされたのかな。

見所はやっぱりラスト。
大雨の中、日々沼が宇田川のために歌うという場面。
がっつり1曲熱唱するんですが、熱くて涙出そうでした。

入江監督の「サイタマノラッパー」シリーズでもラストはガッツリ歌いますね。
食い入って見いっちゃうほど入江監督の映画のラストはヤバイですね。

こういう映画観ちゃうと、何か熱くならなければってモヤモヤしちゃいます。
大雨の中走り回りたくなる映画です。

オススメ度「64%」