
2013年のアメリカ映画「ファーナス/訣別の朝」です。
原題は「Out of the Furnace」、「溶鉱炉の外」という意味です。
「決別の朝」ってのはよく分かりません。
映画観ずに邦題決めた系でしょう。
出演はクリスチャン・ベール、ウディ・ハレルソン、ケイシー・アフレック、フォレスト・ウィテカー、ウィレム・デフォー、ゾーイ・サルダナ、サム・シェパードという超豪華なメンツです。
20億円くらいの製作費の映画にしては豪華すぎますね。
元々はリドリー・スコットが監督して、ディカプリオが主演する予定の映画だったそうです。
監督と主演が変更されたのですが、2人は製作に加わっています。
ペンシルベニア州にある田舎町が舞台です。
ペンシルベニア州と聞くとどうしても「Xファイル」を思い出しちゃうんですよね。
「Xファイル」ではやたらペンシルベニア州で宇宙人出てきてましたから。
さて、その町に住むラッセルは溶鉱炉の工場で働いています。
ロドニーという弟がいるのですが、弟は溶鉱炉で働くのを嫌がっており毎日ブラブラしています。
そんなロドニーなんですが、ペティという町の悪党とつるんでいます。
ペティはロドニーに金を貸して、ロドニーはそれを競馬でする。
んでペティはロドニーに闇格闘技の試合をさせたりしているわけです。
ラッセルはロドニーを心配して、こっそりペティに会いに行きます。
ラッセルはペティにロドニーの借金をこっそり返して、帰る途中、交通事故をおこしてしまいます。
ラッセルはそのまま刑務所へ・・・。
ラッセルは出所後、付き合ってた彼女が町の警察官にとられてしまったことを知りショックをうけます。
更にはロドニーが今もなおペティとつるんで格闘技をやってることを知るのです。
ロドニーはペティに「もっと派手な試合がしたい」と言い、山奥の更に悪い奴らのところへ行ってしまいます。
そこで試合をするのですが、闇格闘技の元締めであるデグロードはペティとロドニーを殺してしまいます。
全てを知ったラッセルはデグロードに復讐をすることに・・・。
という感じの物語です。
独特な雰囲気のある町が舞台です。
映るもの全てが古く廃れています。
ボロボロのコンクリート、古いお店に家屋。
町全体に活気がなく、みんなが死んだような目をしています。
こんな町にいる以上こんな感じのままだっていう映画です。
日本ではここまで都会から隔離された町ってのはないかと思いますが、広大なアメリカではあるんですね。
忘れ去られたような場所で、法も秩序も独特な感じで流れている。
「早くここから出たい」と思う人もいるでしょうが、出る金もコネもなく。
仕方なくここに居続けるば居続けるほど、この町から出れる可能性も低くなっていくのでしょう。
この陰鬱とした町で主人公ラッセルは苦悩し続けて生きています。
恋人に裏切られ、家族に裏切られ、それでもその全てを守ろうとするラッセル。
何が良いってキャスティングですね。
主演のクリスチャン・ベールは最高すぎて完璧でしたし。
ウディ・ハレルソンやウィレム・デフォーのうさん臭さもたまりませんでした。
ケイシー・アフレックとゾーイ・サルダナの悲しい顔や声も映画にピッタリでしたし。
フォレスト・ウィテカーがそこに加わって全てをきれいにまとめていました。
出演者が完璧すぎて感情移入も含めて最高に良かったと思います。
ストーリーは割とよくある話なんですけどね。
とにかくこの豪華な俳優陣の競演は最高でした。
古くさびれた街並みと悲しげな男達の生きざまがみどころです。
オススメ度「61%」