2014年のアメリカ映画「イコライザー」です。
アメリカのTVで80年代に放送された「ザ・シークレット・ハンター」の映画版になるそうです。
原題はTV版が「Equalizer」で、この映画版が「The Equalizer」です。
意味は「等しくするもの」という感じで、まぁ正義の味方って感じでしょう。
もう1つの意味で「銃」という意味ももっています。

監督はアントワーン・フークア、主演がデンゼル・ワシントンということで2001年の「トレーニングデイ」のコンビってことですね。
他にもクロエ・グレース・モレッツやメリッサ・レオが出演しています。

全く何も知らずに観始めたので驚きでしたが、ドラマ版からの人は懐かしく感じるんでしょうかね。
主人公のロバートはホームセンターで働く極普通の男です。
同僚と談笑したりしながら毎日を楽しんでいます。
ロバートは夜になるとファミレスに行って読書をするのが日課です。
そのファミレスにはテリーという売春婦が毎日のようにいて、電話が鳴り仕事が入ると店を出ていくのです。
ロバートとテリーは少しずつ会話をするようになり仲良くなります。

ある日、テリーの顔がアザだらけになってるのを見つけるロバート。
そして帰りに売春の元締めの男達がテリーを強引に車に乗せて去っていきます。

そして、テリーは翌日病院に入院していました。
あの後ひどい暴行を受けて半殺しの目にあっていたのです。
怒りをおさえようとするロバート。
しかし、この時、ロバートの目には正義の炎がともっていたのでした。

というわけで、いきなり復讐劇が始まります。
ロバートはどうやら極普通の黒人ではなかった様子。
常に冷静に、時間を計算し、相手の行動を予測し、叩きのめす。
それも完膚なきまでに。
その正体とはいったい・・・。

テリーに暴行した男達をぶっ殺すロバート。
翌日ニュースになりますが、元々ギャングな連中の殺害なのでそのまま警察は流してしまいます。

しかし、流さない奴等がロバートの周りにやってきます。
それは売春の元締めのボス達。
手下を殺した奴を探し出して殺すまで街を調べ歩き、少しずつロバートに近づいていくのです。

一方、正義の炎がともっちゃったロバートは街でおきる理不尽な犯罪を片っ端から潰していきます。
汚職刑事もチンピラも全員フルボッコにしていくのです。

そして、ついにロバートに辿りつく売春のボスたちことロシアンマフィア。
ロバートは最後の戦いに挑むのでした・・・。

という感じでして、観てる途中で気付きましたがこれは日本でいうところの「必殺仕事人」なんですね。
もうまさしく「必殺仕事人」なんです。
弱いものの味方で、裏で悪人を叩く、しかし決して表には出てこない、という。
英語でいうところの「ダークヒーロー」って感じでしょうか。

クロエちゃんが出てるんですが、最初と最後にしか出てきません。
もっと出ずっぱりなのかと思いました。
それにしても大人になりましたね。
もう「ヒットガール」の時の子供感は無くなりました。
このまま大きく成長して個性的な演技をたくさん見せてほしいです。

デンゼル・ワシントンの表情がたまらないと思いました。
この人は大体ポーカーフェイスで悪と戦う男の役が多いんですが、この映画ではその極みを演じてたと思います。
泣いたり笑ったり怒鳴ったりせず、心を鬼と化し悪を倒していくんです。
悪者から見たらその表情は悪魔のように恐く感じるでしょうし、守られる側からしたらとても頼もしく感じるでしょう。

結構重厚なストーリー展開とセリフ回しが良かったと思います。
悪い奴を倒していくというスタイルなので見ていてスカッとします。
結構ひどい殺し方するのもこういう映画にはつきものですね。
悪い奴は多少エグくやられてもOKとされるもんです。

スタッフロールで流れるエミネムの曲も良かったです。
アルバムに入ってないやつだなぁと思って調べたらコンピレーションアルバムにのみ入ってるみたいですね。

さて、とても自分はこの映画がとても気に入りました。
現代のアメリカに蘇った「必殺仕事人」です。
ラストで正義の味方をして生きていくことを決めたロバートが新聞に仕事の依頼を見つけては戦うというスタイルにしたというところで映画は終わります。
これは是非続編に期待です。
最近はやたら娘にだけ甘く、娘のためなら他人の命をブチ殺しまくる映画がブームみたいですが、この映画のロバートみたいに単純に悪を憎むスタイルの主人公が逆に新しく感じました。

オリジナルのドラマ版は観てないので知りませんが、続編では仲間が欲しいところですね。
色んな武器を持って・・・ってそれじゃ「必殺仕事人」のままになるけど。
いや、やっぱり、ロバートはたった1人で戦うからいいのか、「バットマン」スタイルが合うんでしょうね。

こういう人が街に1人いたら安心。

オススメ度「65%」