2014年のイギリス映画「ストリートファイター 暗殺拳」です。
原題は「Street Fighter: Assassin's Fist」です。

「ストリートファイター」といえば、そうアレです、アレの映画版ってことです。

「ストリートファイター」は1987年にカプコンが発売した格闘ゲームです。
1991年に発売した続編「ストリートファイターⅡ」が世界的に大ヒット。
少年が50円玉握り締めてゲーセンに通う社会現象に。
その後も「ストリートファイター」シリーズは次々と作られ続け、今でも人気のあるゲームです。

映画としてはハリウッドでジャン=クロード・ヴァン・ダム主演で作られています。
まぁこれがメチャクチャな映画でして、「ハリウッドに実写化させるとこうなる」という例の1つです。
これ以降色んな日本のアニメやゲームがハリウッドで実写化されましたが、どれもオリジナルを全くリスペクトしない「名前借り」だけの作品が続いています。

さて、そんなヘナチョコなハリウッドの実写版に怒りを覚えたストリートファイターファンがイギリスにいました。
それがこの映画の監督ジョーイ・アンサーです。
ストリートファイター大好きで、好きすぎて映画を作ることを決意。
パイロット版をYOUTUBEにあげたらそれが大人気の圧倒的再生数を記録。
なんとカプコンが「OK」を出したのです。

というわけで、晴れてジョーイ・アンサーは今作を作ることになったわけです。

まぁーさすが大ファンと言うだけあります。
キャラクターそれぞれのコスチューム完璧です。
キャストも出来るだけ似てる人を連れてきてますし、それぞれがしっかりとアクション出来ます。
動きもゲームそのもの。
何より漫画みたいな肉体美、凄い。

見た目は完璧です、コスプレ感100点満点でしょう。
そんなコスプレ100点のキャラが「はどーけん!!」「しょーりゅーけん!!」と叫びながらゲームさながらに必殺技を繰り出すのです!!
キター!やっぱオタクは最強だ!!

って小躍りしそうなテンションになりましたが。

このジョーイ・アンサー、ストリートファイターを愛しすぎるあまりキャラクターが戦いに挑むための心情や、強くなるための妥協なき修行に全てを捧げてしまったのです。

これはあくまでもキャクラターを愛しすぎたため。
適当に必殺技うってバババっと敵倒しちゃうのはストリートファイターじゃないと思ったのでしょう。
とにかく序盤は主人公であるリュウとケンの修行シーンです。
ゲームでは簡単にうてる「波動拳」も、実はそんな簡単にうてるようになったのではないと、死にもの狂いで修行したからうてたのだと。
ジョーイ・アンサーはそう言いたいのです。

だから、序盤を全て修行にあてたとしても、足りなかったのです。

中盤も修行にあてます。

さぁ、やっと波動拳をうてるようになった頃、映画は2時間ほど経過しています。
もうあとはラストバトルをやるくらいしか時間は残っていません。
でも。

そう簡単に修行が終わり、戦いが始まるわけではない。

そう、硬派に、硬派に、修行こそが格闘家の全てなのです。

なので後半も修行続行。

そして、ラスト、何とリュウとケンは戦わず、師匠であるゴウケンがゴウキと戦うことに。
構える2人。。

映画は終わります。

おいおいおい!!!

戦えー!!!

あまりにストイックにストリートファイターを描きすぎたため戦わずして映画は終わります。
監督のジョーイ・アンサーはきっと「修行こそ全てだ」と言いたかったのでしょう。
そうですね。
戦いなど1分ほどのこと。
その1分を戦うために格闘家は10年20年と修行してきたわけですから。

この映画はそういう映画です。
愛しすぎるとこうなるのです。

続編は・・・遠慮してもらいたいものです。。。

オススメ度「30%」