
2013年のアメリカ映画「スティーブ・ジョブズ」です。
原題は「Jobs」です。
監督はジョシュア・マイケル・スターン、ジョブズ役はアシュトン・カッチャーです。
昨日はスティーブ・ジョブズのドキュメンタリーについて書きました、今日は役者が演じたものです。
ジョブズについては昨日書きましたのでそちらをどうぞ。
さぁ、そのジョブズを映画にしようという企画なわけです。
これだけ波乱万丈だった人生ですし、時代も時代ですし、映画化したいのは分かります。
2011年に亡くなって2年後にはこうやって映画化されてるわけですからそういうことですよね。
この映画はジョブズが大学を辞めたところから始まります。
さぁ、何をしようと考えてる時にウォズことスティーブ・ウォズニアックの作った自作コンピュータに魅せられるジョブズ。
そこから更に改良を加え、コンピュータの基盤を完成させます。
そして会社を立ち上げ、社名を「アップル・コンピュータ」とします。
最初の商品は、あの「アップル1」。
さぁ、ジョブズの革命が始まる・・・。
という感じで始まるんですが、ん~、全体的に微妙でした。
微妙とはかなり褒めてる方かもしれません。
自分よりもっともっとジョブズが好きな人にっとては「クソ中のクソ映画」なのかもしれません。
自分はそこまでジョブズファンじゃないのですが、それでも「微妙」という感想ですね。
まず、こういったIT時代のヒーローを描いた映画ということでどうしてもデヴィッド・フィンチャー監督の「ソーシャル・ネットワーク」と比べてしまいます。
「ソーシャル・ネットワーク」はフェイスブックを作ったマーク・ザッカーバーグを描いた映画です。
フィンチャー独特の見せかたで緊張感あり、スピード感ありの展開が素晴らしい作品でした。
まさに現代のIT時代を象徴するかのような、目まぐるしく展開していく、そしてインターネットによって世界に拡散されていくムーブメントというものが映画を通して感じることが出来ました。
フィンチャーくらいやれというのはこの映画の監督には無理なことかもしれませんが。
どうしても、比べてしまうんですよね。
するとやっぱり、この映画の監督があまりに「凡人すぎる」ということに気付きました。
ジョブズという天才を凡人が必死に描いても出来上がるのはたかがしれてます。
もしこの映画をフィンチャーが監督してたら・・・なんてことを考えてしまいました。
そもそも、この程度の企画でジョブズの映画を作ってしまったこと自体失敗です。
早く作らなきゃってあわてたんですかね。
この映画でも言ってたじゃないですか、そうやってあわてて目先のことばかり考えるからアップルは傾いたって・・・。
アップル1を作りアップル2を作り、そしてマッキントッシュへ・・・。
ジョブズが革命を・・・ってところが適当すぎます。
ジョブズが作り上げてきたものより、アップル社でのジョブズの地位というものにばかり縛られて作っているのが最低でした。
アップルを辞めることになり、ネクスト社を立ち上げて・・・ってところからの10年が5秒くらいで終わります。
はしょりすぎです。
ジョブズを語る上で欠かせない存在ウォズ、正直この映画観ただけでは彼の凄さは何1つ伝わりません。
あとピクサーの話は1秒も出てきません。
余計なところにばかり時間さいたせいでしょう。
また言うのもなんですが、フィンチャーの「ソーシャル・ネットワーク」でやってた倍速な展開の演出観て勉強してほしいですね。
そして決定的なのが、ペプシのCEOだったジョン・スカリーを引き抜くところです。
何ヶ月も時間をかけ引き抜き、そのスカリーに追い出されることになるジョブズ。
この引き抜きの時にジョブズがスカリーに言った「一生砂糖水を売って暮らすか?それとも俺と世界を変えるか?」ってところがオールカットです。
後でスカリーが笑い話みたいにチョロっと言うだけ。
せめてこの名場面だけでもおさえておくべきでしたね。
「ジョブズ」とタイトルうった映画なら、ジョブズの人生を映画化した時にどうやったら面白くなるかってところをもう少し考えるべきだったと思います。
ジョブズの人生のどこにスポットライトを当てるのかというところを・・・。
というわけで、結構眠たくなりました。
昨日書いたジョブズの1アングルだけのインタビュー映画の方がまだ全然マシです。
10年後くらいに、誰かがまた違う形でジョブズの映画を作ってほしいですね。
イケメンでマッチョなアシュトン・カッチャーがジョブズ、これがこの映画を表している。
オススメ度「36%」