
2012年のアメリカ映画「ミッドナイト・ガイズ」です。
アル・パチーノ、クリストファー・ウォーケン、アラン・アーキンが出演しています。
アル・パチーノ演じるヴァルが28年の刑期を終え出所してくるところから物語は始まります。
刑務所を出るとそこにはクリストファー・ウォーケン演じるドクが迎えに。
ドクは28年ぶりにシャバに出たヴァルを風俗に連れてったり飯を食わせたりします。
ヴァルとドクと後に出てくるアラン・アーキン演じるハーシュの3人は盗みをはたらいて暮らしていたのですが、28年前にミスをしヴァルだけが逮捕されます。
そしてヴァルは一切何も喋らず黙秘をしたためドクとハーシュは無事だったわけです。
しかし、ヴァルはその時にとあるギャングのボスの息子を撃ってしまっていて、ギャングのボスは出所すぐに殺すようにドクに命じていたのです。
お互いの関係をよく理解したヴァルとドク。
ドクがヴァルを殺さないといけないタイムリミットは明日の午前10時まで。
この時間までにドクはヴァルを殺さないといけない、ドクもそれを承知、で2人は最後の一夜を楽しむことに。
現在、施設に入院中のハーシュも誘い、久々に3人組が復活。
さぁ、もう誰も俺達を止められない。
3人のおっさん達の最後の一夜が始まるのでした・・・。
という感じのおっさん、というか、おじいちゃん達の青春ストーリーです。
明日の朝にはヴァルを殺さないといけないドク。
明日の朝には死なないといけないヴァル。
そして病気でどっちみち余命も少ないハーシュ。
こういうチンピラ稼業をして生きてきたら、まぁ覚悟を決めなきゃいけない日がくるってことですね。
おっさん達の最後の「パーティ」がとても切なくてとても笑えました。
いくつになっても女を抱くためにバイアグラを飲みまくる男。
いくつになっても友達を大事にしたい、それも男。
ベッドの上で長生きするくらいなら最高の一晩を楽しんで死にたい男。
男ってのはバカだけど、とても正直、そして最後までかっこつけたいんだよ。
アル・パチーノ、クリストファー・ウォーケン、アラン・アーキン。
3人ともオスカーを受賞したことのある名優たち。
彼らがいぶし銀の「チンピラストーリー」をやってくれたのに拍手喝采です。
ラストもチンピラストーリー定番の終わり方で大満足。
あー男ってのは最後はこうやって死にたいのか、そしてこうやって生きるのかと教えられた感じがしました。
たった一晩だけど、それで昔を取り戻して、思い出全てを頭の中にフラッシュバックさせながら。
あー男っていいな、おっさんっていいな、と思える作品でした。
まぁやってることはほぼ全て犯罪なので良い子は将来真似しちゃダメなんですが。
自分はお酒を飲みながら観たせいか、よりいっそう3人に感情移入しちゃいました。
「散り際」のかっこよさといいますか。
もし自分が将来「お前、明日の朝殺すから」って言われたら恐くて震えることでしょう。
でも、この映画を思い出して、「んじゃ最後の一夜、昔みたいに楽しもう」って考えなくちゃと思いました。
そんな状況にはなりたかないですが。
オススメ度「63%」