
2012年のフランス・アメリカ映画「マニアック」です。
主演は「ロード・オブ・ザ・リング」のフロド役イライジャ・ウッドです。
イライジャ演じるフランクはマネキンを愛する変わった男。
マネキンに異常なほど愛情を注ぎ込み、それはもう鬼気迫るほどに。
そしてこのフランクには猟奇的殺人鬼という裏の顔があります。
「髪の毛は永遠だ」と言い、女性を殺害し頭皮をはぎとり、それをマネキンに被せていたのです。
そんなフランクがある日出会った女性アンナ、彼女はフランクと同じようにマネキンに興味を持っていました。
しかしアンナがもつマネキンへの興味はあくまでもアート的なもの。
フランクがマネキンに感じている愛とは全く別物なのです。
しかし、フランクはアンナを運命の人だと思い近づくように。
仕事を手伝ったりしながらアンナと仲良くなっていくのですが、他の女のように簡単には殺しません。
フランクはアンナをマネキンと同じように愛し始めていたのです。
しかし、フランクの異常性がアンナに知られてしまうのでした・・・。
完全にイカれてしまっているフランクの目線で物語は進みます。
ほぼ全ての映像がフランクの「主観」によって映されているのです。
なので全てはイライジャの目線によるものなので意外とイライジャ・ウッドが画面に出てこないという。
通常のサイコキラーな映画の場合は俯瞰で観せますから襲われる被害者などに感情移入しています。
が、この映画は犯人目線なので全て犯人が見ている映像なんです。
襲われる女性に「逃げろ、危ない」と思いながらも、どこか「そんなことしたらバレちゃうよ」とフランクの気持ちになって見てしまう時もあります。
不思議な感じですね、サイコキラーを体験させようとしてるわけですから。
そういうサイコな奴の見てるものというのが何なのかを体験するんですが、自分が1番恐いと思ったのは泣きじゃくるアンナをフランクが慰めるというシーン。
知り合いを殺され涙するアンナ、その知り合いを殺したのはフランク。
しかしフランクは何も知らないアンナの肩をもみながら「大丈夫だよ、もう泣かないで」と慰めているんです。
普通はこれだけで恐いんですが、この映画、何度も言いますがフランク目線なんです。
そんな慰めること言いながらフランクが見てるのはアンナの髪の毛なんです。
「大丈夫だよ・・・」と言いながら、もう頭の中は髪の毛でいっぱいになっているという・・・。
この前観た映画「スティーラーズ」でもイライジャ・ウッドはサイコな男の役を演じていました。
常軌を逸したサイコキラーを続けて演じてるということは、イライジャはやはり「ロード・オブ・ザ・リング」のイメージから脱却しようとしてるんでしょうね。
今回そういう意味で残念なのはイライジャがあまり画面に映らないこと。
サイコな表情とかもっとやりたかったのでは?と思いました。
ラストがかなりスプラッタ映像になるので自分は苦手でした。
ラストだけ画面を観ないでやりすごしました。
そういうのが苦手な人は絶対観ない方が良い映画だと思います。
オススメ度「47%」