
2012年のアメリカ映画「コンプライアンス -服従の心理-」です。
原題でもある「Compliance」ですが、最近よく耳にしますね。
職場とかでも「コンプライアンス重視」とかよく言われます。
日本語に訳すと「命令に従うこと」という意味です。
職場などでは「しっかりとルールを守りましょう」みたいな感じです。
有名な人は出ていませんが、色々な映画賞を受賞したみたいです。
とあるハンバーガー屋さんから物語は始まります。
店長はサンドラという中年の女性です。
アルバイトの若者達からあまり慕われておらず、うまく従業員を扱えないようです。
前日に冷蔵庫の閉め忘れで肉を傷めてしまったりして店はだいぶ混乱中。
そこに1本の電話が。
「警察です、そこで働いている10代の女の子いますね」
サンドラは「ベッキーですか?」と聞くと「そう、ベッキーです。その子が客の金を盗んだみたいです。」と警察は言ってきます。
警察が言うには我々がそっちに着くまでベッキーを見張ってて欲しいとのこと。
サンドラはベッキーを見張るのですが、警察は更に「服を脱がして調べなさい」と言ってきます。
ベッキーは拒むのですが、サンドラは言われるがままベッキーに服を脱ぐように命令。
全裸にされるベッキー・・・。
というとんでも展開から幕をあける映画です。
賢い人はすぐ気付くはずです、こんな警察いません。
いや多少バカでも気付きます、警察は電話ごしにこんなことさせません。
いやもう中々のバカでも気付きます、警察にこんな権限ありません。
でも、サンドラは完璧に電話の相手を警察だと信じています。
そもそもがこのサンドラが「ベッキーですか?」とベッキーの名前を出しているんです。
サンドラのバカな頭から全ては始まったといっても過言じゃありません。
段々とサンドラはベッキーを疑い始め、途中から完全にベッキーが盗んだと思い込んでいます。
この感じが最強にイライラします。
「ふざけんな!」って映画観ながら叫びそうなぐらいサンドラの信じ込みはハンパじゃありません。
この話は働いている他の従業員にも届くのですが、「警察ともめたくない」ってことで詳しく内容を知ろうとしません。
それを良いことに電話の主の命令はエスカレート。
サンドラの彼氏を呼び、裸にエプロン姿のベッキーと2人っきりにさせます。
電話の男は彼氏に命令しベッキーのエプロンを没収。
全裸を見られたベッキーは更に色んなとこを調べられます。
そして・・・更に・・・。
このサンドラの彼氏も途中からおかしいと感じただろうに10代の女の子の裸を前に理性を無くしたんでしょうか。
全てが終わると呆然として店を出ていきます・・・。
その後、やっと電話の主が警察じゃないと知り通報。
犯人は逮捕。
ベッキーはサンドラを訴えて終わります。
こんなバカなこと起こるか!
もうバカばっかだ!
と腹たてていると最後にこういう文字が。
「アメリカの30の州で同じような事件が起きました」
なんとこの映画、2004年に実際に起きた事件を元にしていたのです。
ありえたんですね、こんなこと・・・。
電話の相手は直接ベッキーの裸を見たりはしてないわけで、完全にイタ電です。
この場合、犯人はどう裁かれるんでしょうか?
実際に裸にしたり、命令したりした人達が裁かれるんでしょうか。
何でも真面目に言うことだけ聞いてたら良いってもんじゃないぞ!という現代のコンプライアンス社会に対するアンチテーゼでした。
オススメ度「48%」