2010年のアメリカ映画「バージニア その町の秘密」です。
ジェニファー・コネリー、エド・ハリス、エマ・ロバーツなどが出演しています。
原題は「Virginia」でして、物語の舞台となる場所、そして主人公の名前をあらわしています。
邦題の「その町の秘密」ってのは的外れです。

主人公バージニアにはエメットという息子がいます。
父親が誰なのかはよく分かっていませんが、バージニアは昔から町の保安官リチャードの愛人をしています。
なのでエメットはもしかしたらリチャードが父親では?と思っているわけです。
エメットにはジェシーという彼女がいるんですが、このジェシーはリチャードの娘です。
なのでエメットとジェシーは「もしかしたら兄妹?」という疑問があるわけです。
しかし、色々あってどうやらエメットはリチャードが父親じゃないことを確信します。
これで安心してエメットはジェシーと付き合えることに。

物語はこんな感じで始まるんですが、冒頭の意味深なシーンから映画は始まっています。
リチャードに抱きかかえられて出てくるバージニアのシーンです。
いったいこれは?ということがこれから明らかになっていくというわけです。

そのシーンを観るだけでこの映画が何となーく平和に終わらない予感はします。

バージニアは心を病んでいて、あまりまともな母親とは言えません。
かなり奇妙な行動が多い女性です。
それを息子エメットがカバーして成り立っているのです。

が、エメットはジェシーと付き合うようになって少しずつこの町を出たいと思うように。
しかし、リチャードがそれを邪魔してきます。
お金さえあれば・・・と考えるエメットは大胆な行動に・・・。

非常にシリアスな映画でした。
エメットとバージニアに明るい未来なんてとても想像できません。
一発逆転すらも感じられない、そんな家族です。
ラストで、バージニアが息子エメットを守るためにテキパキと行動します。
散々いままでダメダメな母親だったのは演技なの?ってくらい最後はまともです。
息子のピンチで初めて母親としての自覚をもったのでしょうか。

映画の中でエメットとバージニアを苦しめ続けるリチャード。
この男の物語をどう終わらせるのか興味深かったのですが、結構あっさりと終わります。
何かしら痛い目みて終わるんだろうとは思いましたが。
まさか、不倫を知ったリチャードの妻がリチャードの性癖を表すグッズたちを庭中に飾り付けるとは。
その直後マスコミがその家に来る予定だとかで・・・。
その時の悲惨な状況は描かれていませんが、想像するだけで恐いですね。
あんなものやこんなものが家の庭に置かれていて、それをマスコミが写真におさめ、翌日のニュースで取り上げられる。
町中の笑いものになり、今まで勝ち取ってきた地位も名声も全て終わり。
頭を抱えるリチャードを想像したら、少しホッとしました。

オススメ度「48%」