2011年のカナダ映画「人生、ブラボー!」です。
原題は「Starbuck」でして、主人公が使った偽名「スターバック」からつけられています。
それだとコーヒーの映画と勘違いされると思ったのか邦題は「人生、ブラボー!」。

なんでやねん!!!

良い映画な時ほどヘナチョコな邦題にガッカリしますね。
寝言で仕事してんのかな・・・。

物語の主人公ダヴィッドは42歳の独身男性です。
仕事は親父がやってる精肉店で働いています。
付き合ってる女性はいるんですが、結構適当みたいです。

そんなダヴィッドにとんでもない知らせが。
ダヴィッドが23年前にバイト感覚でやった精子バンクのことが問題に。
当時ダヴィッドはあまり色々考えずお金になるからと偽名の「スターバック」を名乗っていたるとろこで精子提供を繰り返していました。
その回数なんと693回。
そのうち533回が命中し、子供が生まれていたのです。
何のとりえもないダヴィッド、精子だけは濃かったのです!!
その533人の子供のうち142人の子が「スターバック」とは誰なんだ教えろという訴訟を起こしたからさぁ大変・・・。

と、まぁ呆れるくらいコント仕様な設定で物語が始まります。
しかし、笑う場面もありながら、根っこはしっかりとしたヒューマンドラマなんです。
こんなふざけた設定で始まるくせに最後涙出ちゃいそうになります。

やばい、油断すると泣いちゃう映画。

あわてるダヴィッドでしたが、その142人の子たちがどんな子なのか1人ずつこっそり会うことに。
もちろん父親というのは隠して、あくまでも偶然を装って・・・。

1人目、なんとサッカー選手。
しかも、スター選手、サッカー好きのダヴィッドは「俺の子がプロサッカー選手になってたぞ」と喜びます。
そんな感じで次々と子供達と会っていきます。
俳優を目指してる子にはバイトを肩代わりしてあげて手伝ったり。
ジャンキーになりかけてた女の子には優しく接して見守ってあげたり。
中には障害をもって生まれた子も。

ダヴィッドは自分の子たちと会うことで少しずつ成長していくんです。
自分の子たちがこんなに頑張ってる、こんなに立派に成長してる、男は子供を見て初めて大人になるんです。

映画の中で流れる音楽もとても良い感じでした。
やっぱり音楽のセンスが悪いとせっかくの映画も台無しですからね。

ラストでは、自分が父親だと名乗ったダヴィッドと子供達が1人ずつハグをしていきます。
ここチョーヤバイですから、ハンカチ必須ですから。

何のとりえもないダヴィッドでしたが、人から好かれることだけは昔からたけてたそうです。
子供達からもしっかりと好かれたみたいです。
そして、ダヴィッド自身も彼女に赤ちゃんができ、父親に。
たくさんのお兄ちゃんやお姉ちゃんから祝福された赤ちゃんもきっと幸せに愛されて育つんでしょう。

呆れるような設定で始まったくせにラストで泣かせちゃうなんて考えもしませんでした。
出てくる登場人物もみんな良い人たちばかりで、ダヴィッドは幸せ者でしょう。
最近まで存在すら知らなかった兄弟・姉妹たちもそれぞれ仲良くなったみたいで。
一人っ子の自分的にはちょっとうらやましい。

オススメ度「63%」