
2011年のアメリカ映画「ナチュラル・セレクション~ほんとうの私に出会う旅」です。
「Natural Selection」、意味「自然淘汰」だそうです。
邦題って毎度後ろに余計な言葉足しますよね。
「ほんとうの私に出会う旅」・・・、う~ん、余計なお世話。
サウスバイサウスウェスト映画祭で各賞をそうなめにした作品です。
結婚25年目のリンダとエイブの間に子供はいません。
でも、そこそこうまくやってきた夫婦なんだと思います。
しかし、ある日突然エイブが倒れ病院へ運ばれます。
エイブがあまり長く生きられないことを知ったリンダはショックを受けますが、エイブが意識もうろうとする中発した言葉に更に驚きます。
「息子が・・・いる・・・んだ・・・」
何とエイブには隠し子がいたのです。
愕然とするリンダでしたが、最後にその息子に会わせてあげようとリンダは息子の居場所を調べます。
そしてそのままその息子のもとへ・・・。
息子の名前はレイモンド。
成人して大人になっていて、ヒゲづら、クスリに溺れているという状態。
こんな男でもエイブにとっては息子なんだからとレイモンドを連れてエイブのもとへ急ぐのでした・・・。
と、こここまでは結構急スピードで進みます。
ここからエイブのもとへ行くまでがメインとなるロードムービーです。
自堕落で滅茶苦茶な男レイモンド。
そして、真面目で酒すら飲まないリンダ。
何かあるたびにリンダの財布から金を盗もうとしたり、車を盗もうとしたり。
とてもまともじゃないレイモンドとの旅。
ここから先はネタバレがありますので、これからの方はここでサヨナラです。
さて、ネタバレなんですが。
実はこのレイモンド、偽者なんです。
この男はレイモンドの知り合いというだけで、刑務所から脱獄してきたばかりの男だったのです。
レイモンドになりすませば遠くに逃げれると思ってリンダについてきただけなのです。
しかし、次第に心を開いていく2人・・・。
親子ほど年の離れた2人ですが、旅の途中で結ばれてしまいます。。。
ややこしいですね。
リンダは夫の息子と思ってるわけですが、レイモンドにしてみたら何の関係もない母の年齢の女性。
そもそもレイモンドという名前でもないわけですが・・・。
禁断の関係になってしまった2人・・・しかし更に驚くことが・・・。
いつ死んでもおかしくないって状態だったエイブが回復し車椅子で動けるまでになっていたのです。
そして、レイモンドの正体を知るリンダ。
更には何と何と、あの時のレイモンドとのエッチで妊娠してしまってたリンダ・・・。
もう頭の中がパニックです。
ラストで、レイモンドはリンダを迎えに来ます。
「俺と一緒に行こう」と。
しかし夫のエイブは生きていた・・・。
悩むリンダでしたが、リンダはエイブのもとを去ります。
しかしレイモンドのもとにも行かず・・・。
1人、海を見つめ笑顔のリンダで映画は終わります。
エイブはエイブでリンダに内緒で子供を作ったりしてたわけで、出ていくリンダを止めることは出来ません。
リンダもそのことを許せずにいます。
レイモンドもリンダを騙していたわけで。
リンダはどちらの男をとることもなく自由にもう1度新しい人生を送ることにしたんですね。
観ていて最初は笑える感じだったんですが、ラストはかなりシリアスモードでした。
リンダの揺れ動く気持ちというのが痛いほど伝わってくるのでラストは切なく感じました。
ロードムービーの最後って何か切ないですよね。
目的は色々あれど、旅ってのは終わると寂しいもんです。
でも結局「家が1番だ」とか思っちゃうわけですから。
そしてしばらくしたらまた旅行に出かけちゃうという・・・。
もしかしたら、人は旅の終わりの寂しさを感じるために旅をするのかもね。
オススメ度「48%」